早嶋です。
シャリングエコノミーの覇者であるAnBは住宅の仲介から総合旅行会社に進化している。これはアマゾンがはじめは本のネット販売から始まってありとあらゆるeコマースのプラットフォームになったのと似ている。
AnBは旅行者に対して体験イベントなどを予約できるサービスを発表している。更にAnBのサイトにガイドブックの機能が追加され、その道のエキスパートが自らの専門分野を活かしてお勧めの店を紹介する。そして今後の計画では航空機やレンタカー等の手配、そして食事の手配等の視野もある。3月10日に政府は民泊を解禁する「住宅宿泊事業法」の閣議決定を行っている。国内旅行業者に対しては恐怖と感じているだろう。また国内の食べログなどからするとこの動きは無視できない。
注目すべきは、日本の旅行業界の収益性の低さだ。これらの影響に対応できる余力が殆ど無いことだ。
JTBは売上高が1.3兆あるが利益は161億。近畿ツーリストの売上は4000億弱で利益は63億。HISですら売上5300億に対して利益が約200億と低い。旅行業界のこれまでの慣習が剥離多売で上記のような生産性の低さであれば、エクスペディアやAnBなどが真っ向から自分たちの領域に入って来られると資金面、それから思考面で対応に苦しめられると思う。
が、上記はいずれにせよユーザーからすると有り難いもので、選択する範囲や提案の利便性があがる方向だ。また、これまで小さい企業で交渉力が弱かった旅館や店舗からするとAnBなどと組むことによって、一気に販促が世界規模になるというメリットもあると思う。