早嶋です。
本田のCRZ(http://www.honda.co.jp/CR-Z/)とトヨタの86(http://toyota.jp/86/)。どちらも2ドアクーペというパッケージなのに圧倒的に86に軍配が上がっています。
2ドアという時点で選択する層は自動車マニア層だと思いますが、本田が狙った層は自動車ライト層だったのでしょう。が、車の選択の中でドアの数はライト層にそもそも受け入れられないということでターゲットに対しての商品のコンセプトがそもそも間違っていた。という結果だったと思います。
CRZの最高出力は118ps、最大トルク14.7kgm/4,800prm、燃費は19キロから23キロ、車重は1,170kg、価格は270万から285万。
一方86の最高出力は207ps、最大トルク21.6kgm/6800rpm、燃費は11.8キロから12.4キロ、車重は1,210kg、価格は262万から325万。
ということで同じ2ドアクーペのパッケージでありながら、86は本来のスポーツの要素を徹底していることがわかります。そもそも車に対して愛着が無く、移動のツールとしてしか考えない人は選択肢の候補にも上がらない使用です。
一方、本田はスペックをみる限り、2ドアクーペなのに低燃費を実現した経済的なスポーツカーというのを目指したのでしょう。思想としては面白い挑戦でしたが、マーケティングでそもそもその層がいたのか?という時点で疑問でした。CRZのあだ名も鈍亀、フィットの2ドア版ということで見た目だけのなんちゃってカー。そもそもパワーが不足しているという評判で、車を試した層がライト層ではなくマニア層だったので、そのようなコメントが出てきていたのでしょうね。
マーケティングにおいて、どのターゲットセグメントに対して、どのような商品ミックス、価格帯を提供するのかという判断は極めて重要です。今回の86とCRZは車の技術に加え、どこまでターゲット層を意識した企画とコンセプトを打ち上げることができたのか?がそもそもの勝負の分かれ目になったと思います。