予期せぬ成功とイノベーション

2016年8月4日 木曜日

原です。

イノベーション理論を体系化したピーター・ドラッカーは、イノベーションには予期せぬ成功を利用することが必要であると述べています。

予期せぬ成功とは何か?
例えば、クラウドファンディングという新たな資金調達手法がありますが、
地域に特化したFAAVOというプラットフォームがあります。
FAAVOの成功事例に「大太刀(蛍丸)の復元と奉納」プロジェクトがありました。当初、このプロジェクトに対しての支援者には想定していなかった支援者層から共感され、購入型クラウドファンディングでは最高額の資金を調達しました。
想定していなかった支援者層とは、刀の名前を擬人化したオンラインゲームが大好きな女子達が支援者層となったのです。いわゆるオタク層です。
この予期せぬ成功事例を分析すると、オタク層による新たな市場の変化の兆しが考えられます。このオタク市場を分析し、価値創造ビジネスを事業展開していくことが予期せぬ成功の利用方法になります。

一方で、予期せぬ成功は、偶然の出来事であると捉えられやすく利用されないのです。この原因は、大抵の人々は過去の経験をベースにした現状の延長線上による思考パターンに囚われているからです。人間は誰しも自分が体験してきた仕事内容や成功事例を否定したくないのです。だから、自分の体験してきたこととは違うパターンや領域には興味を示さないのです。むしろ、予期せぬ成功に対抗意識があるのです。

しかし、予期せぬ成功は機会となります。予期せぬ成功には、変化の兆しを分析することが必要です。予期せぬ成功を素直に受け入れる人や組織が、リスクが小さく苦労を少なくしながらイノベーションを達成し、新たな利益を獲得していくのです。



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