ソリューション営業追加2万人

2016年5月20日 金曜日

早嶋です。

日立は、先日の日経で米国、欧州、アジアなどで2万人の営業人材を追加雇用すると報道されている。更にグループ全体の4割弱にあたる13万人を営業担当にするという方針だ。

営業人材を活用して機器設備の販売から人工知能やビックデータなど、今後の技術をベースとするコンサルサービスに転換したい意向からだ。製造業からサービス業への変換。大きなポートフォリを変えて行く戦略、方向性は素晴らしいと思う。

が、実際に自社の商品を横断的に、かつ商品ありきではなく顧客の課題、或いは顧客がまだ見えていない課題を見出して提案する技術はたやすくない。当然、そのような人材は他社からも引く手あまたで結構稼いでいる。米国の事例ではIBMが90年代にソリューション営業に切り替えている。GEは製品の販売というビジネスモデルからIoTを駆使して航空機エンジンや医療機器の効率化を促進するサービス事業に切り替えている。

当然この動きはパナソニックや富士通でも同様におきている。世界の人口の中で2万人とすると大した人数ではないが、競合しあう企業がリーチする人材は限られている。となると、新規に獲得して、その人財がソリューション営業ができるかといえば疑問である。IBMはソリューション営業ができる人材を確保する際にM&Aでコンサル会社を買っている。そしてその人材をベースにソリューション営業に切り替えている。GEはもともと給与レベルが高いので他の製造業よりもよい人材を集めやすい。

果たしてスペックが高い人材が、日立の給料レベルでやってくるのだろうか。2万人という数字を増やすのは並大抵のことではないと感じた。



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