日本の米の消費量は、1960年頃のピーク、年間1100万トンをピークに現在の700万トンまでジワジワと低下しています。人口は、1960年頃は1億ないくらいで、現在は1.2億人。
これらから一人当たりの消費量は、1960年頃のピークが年間に120キロだったのが現在では60キロの半分にまで減っています。
しかも米に対しての作り方は当時から大きな変化はありません。これは工業の世界から考えた場合です。基本的に守られた業界であるため集約化、転作など抜本的な改革は進んでいません。零細小規模の農家が今でも粛々と米の栽培を続けているため非効率さは否めません。
現在、国内の米農家の経営者は132万人程度です。果物農家の経営が26万人、野菜が48万人、酪農が2.5万人、ブロイラーが1万人、肥育牛が7万人を考えると、米農家はものすごい数がいることが分かります。
一方で、その米を作っている米農家の平均所得は458万円で、その所得の内訳は農業所得が14%、農業外所得が40%、年金所得が46%となっています。ちなみに、果物農家の平均所得は447万円でそのうち農業所得は44%、野菜農家は551万円で農業所得は48%、ブロイラーが615万円で農業所得は82%、酪農は794万円で農業所得は84%、肥育牛は1326万円で農業所得は83%です。
つまり、現状の米農家は実態の1割程度の収入割合で、収入の半分を年金、その半分を農業以外の収入によって生計を建てているのです。
仮に今後、TPPが成立して、関税が緩やかになくなっていくことを考えると、この状況では、日本の米は本当に大丈夫?となっていくでしょう。
ただ、農地を集約化して、マネジメントのスタイルを取り入れ、勘からデータを取り入れた農業に変換すると簡単なことですが、仕組みやしがらみが複雑で、それもなかなか進まないと思います。
参照:向研会に参加して