ドーナッツ戦争

2015年2月1日 日曜日

セブンイレブンを筆頭にコンビに業界がドーナッツの販売を始めています。さて、あなたがドーナッツを販売しているミスドの立ち位置だったらどうするか?

結論を先に言うと、コンビニがコンビニの店舗内でドーナッツを販売するということは、コンビニの顧客がサンドイッチを買う代わりに店内のドーナッツを選択するということであって、コンビニの周りのミスドの顧客がわざわざコンビニのドーナッツを買いにいくとは考えにくい。急激にシフトするとは考えにくい。従って、慌てないことが大切。

ミスドを展開しているダスキンの売上の6割はクリーンケア、残りの3割程度がフード事業。フード事業のほとんどがミスドの部門で、フード部門は収益が悪化して赤字になりつつある状況だ。更に、近年のドーナッツ市場は低迷し続けている。

ミスドの強みは何と言っても、各店舗でドーナッツを作っており、3時間以上たったドーナッツは処分されるという新鮮さを持っていること。この店内調理の強みがドーナッツの鮮度、食感を支えており、間食マーケットに食い込んで来た。更に長年にわたるミスドグッツとキャンペーンを組み合わせたマーケティング手法にたけている。

現在、ミスドの店舗は全国で1400程度で、店舗あたりの売上が年商7,000万円程度まで落ちている。今回、ミスドの強敵となるコンビニは100円コーヒーを導入してあっという間に1,000億の市場を作り上げていることを考えると脅威になることは間違いない。

コーヒーとドーナッツの相性は良い。そこでセブンイレブンは去年の11月に工場で集中調理したドーナッツをテスト展開。これに続き、ファミマは袋入りドーナッツを展開、ローソンは店内で2種類の調理展開を始めている。

セブンイレブンはミスドをベンチマークしていることが明確なほど商品を模倣している。そして、ほとんどの商品をミスドの3割から4割安い価格に設定して徹底的なコスト勝負を仕掛けている。

さて、ミスドだったらどうするか。ミスドは全国に1400店舗に対してセブンイレブンは17,000店舗、ローソンでも12,000店舗はある。規模の経済で勝負しても確実に負けるためコスト勝負はあきらめるべき。

大きな方向性として、真っ向勝負か戦わないかの2つの方向性がある。真っ向勝負は上述のように負けが分かっている。であれば、戦わない戦略。

方向性として、例えばコーヒーを提供している店舗にフレッシュなドーナッツを提供する側にたつということが考えられる。例えば、都内には100店舗以上のミスドがあり、つまりこれは100店舗以上のドーナッツの工場を持っていることになる。そこからコーヒーを提供しているショーップにドーナッツをおろすという考え方だ。

全国で見てもミスド1400店舗に対して、喫茶店は約7万店もあり、コーヒーで有名なスタバのフードは正直最悪であることは有名。ここにドーナッツが食べられたらそれはスタバファンからするとうれしいでしょう。

ファミマやローソンも頑張って自社で作らないで、ミスドにドーナッツを売ってもらうことでセブンイレブンと逆に差別かができるという考えもできる。

ミスドの立地条件からだと、自転車やキャリーで楽々ドーナッツを近隣の店舗に配送することも可能。

というような逆転の発想も持つこともできる。

参照:大前ライブ



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