大企業が新規ビジネスが苦手な理由

2014年9月2日 火曜日

大企業が新規市場への参入を行うときに、うまく行かない理由。早嶋の仮説であるが、多くの企業に出入りしている経験からの考察。まだまだ粗い。

1)大企業トップ、経営陣が新規ビジネス立ち上げ経験に乏しいこと
率直に言うとおこられるかも知れない。しかし、その結果、市場の規模は十分なのか?とわからない市場の規模について数字遊びがすぎている。何故、そのようにいうかも理解できる。そもそも企業が新規ビジネスを行う場合、多くの場合が自社のリソースが余っていて、このままではリストラ(人を中心に)せざるを得ないという状況から、そのリソースを確保するだけのビジネスを創りたいという気持ちが全面に来ている。また、そのような背景から失敗してはいけないという老婆心があるのかもしれない。しかし、新規ビジネスにおいて100%の予測などそもそも不可能。

新規担当者からすると、正直それはわからない。仮に数字をはじく事ができても、前提条件と仮説をおく事しか把握できない。実際に、スタートしながら確認するなどの検証作業を行わない限りなんとも言えない。しかし、上が言うからには、鉛筆なめなめをしてなんとか数字を創らないと行けない。これが仕事か?と疑問を思いながらも毎日をモヤモヤ過ごしているかもしれない。

外から言わせて頂くと、そんな手間ひまかけないで、ある程度の仮説を立てながら、つどつど動きながら確かめれば良いのにと。もしくは、既にあるビジネスに資本を入れるという実験をして検証することも可能。いずれにせよ、既存ビジネスの延長で新規を行うかのごとくの手続きが永延行われているのが問題だと思う。

2)既存企業のメインディッシュで活躍している社員が担当者に抜擢されている
既存企業のメインディッシュの部門は、多くの場合、成熟期まっただ中か成長後期のビジネスになりつつある。このフェーズで市場のシェアを確保しているのであれば、そこそこのキャッシュが企業に入ってきており比較的安定したビジネスの仕組みができている。そして、多くの場合、その仕組みができたのが10年前とか、過去の話。そして、今、ばりばり活躍している人材は、確かにエース級だけど、その仕組みが出来上がった上で動いているだけで、産みの苦しみや、泥水を飲んで這いつくばる経験や、知恵を徹底的に絞っても脳みそを撃沈させられるよううな経験に乏しい。

なのでお作法がきれいすぎて、なんだその技は!的な発想にならない。新しいアイデアといいながらも机上を出て現場に行って、あたりかまわず人から情報を集めるなどの感覚が少ない。ネットで集めた情報なので、あるいみ既に後だしじゃんけん感がたっぷりでなんともしっくりこない。

3)企画立案する人間のビジネスリテラシーが乏しい
ゼロから生み出すということは、基本なんでもできないといけない。できない場合は自力で調べ上げて、成し遂げる方法を徹底的に探し試みる。妙にこなれた担当者は、仕事の分断が上手で、自分で考えて突っ込んで何でもやってみるという考え方や視点が乏しい。当然、行動に結びつかない。

新規ビジネスという冠がついているからには、ヒトやカネやモノの視点に加えて、世の中の動きや基本的な戦略の考え方などは身につけながら企画することが必要だとおもう。出てくるアウトプットは色もデザインもなんとなくかっこ良く見えるのだが、ほぼ中身が無いのは、そういう事かもしれない。と思う。



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