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NHK世論調査部の全国個人視聴率調査によると、若年層と高年層の視聴の差が広がっていることが分かった。2010年の時点で20代男女と30代男性において、1割以上の人がテレビを全く視聴しておらず、2000年と比べて2010年の20代女性のテレビ視聴時間は25%以上も減っている。逆に、高齢者のテレビ視聴時間が増えているが、高齢者は衛星放送を見る傾向にあり、70歳以上の男性においては42%が週に一度以上衛星放送を視聴している
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参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%93%E9%9B%A2%E3%82%8C
なるほど、ボンド大学の講座を始めた頃よりテレビを積極的に見なくなっています。理由は、ながらで情報を得るメリットよりも時間を浪費するデメリットのほうが多い。ネットによって情報取得の習慣が変わったの2点です。更に最近感じるようになったのがコンテンツの長さです。1時間の枠が少し長いと感じるようになりました。これはYoutubeやWebコンテンツの長さが分単位になっている背景もあると思います。近い将来、視聴者が見たい番組を自ら選択するだけの時代になり、オンデマンドやweb経由で十分となるかもしれませんね。
JIM EDWARDSの「BUSINESS INSIDER 」記事によると、米国では、「ネットワーク局のプライムタイム視聴率が低下し、ケーブルTV加入者の総数が減り、テレビを所有する家庭数も減少」しているとのこと。
日本では、予想より好調な売上と言われる4Kテレビですが、この傾向はガラパゴスなのではと若干気になります。米国でも日本でも技術者やクリエーターのこだわりは強い一方、消費者はそれほど画質や音質に関心を持たなくなっているからです。ある一定レベルの質を超えてしまうとその違いにお金を払ってまで獲得しようとは思わないのでしょう。
参考:BUSINESS INSIDER Nov.24, 2013
TV Is Dying, And Here Are The Stats That Prove It
http://www.businessinsider.com/cord-cutters-and-the-death-of-tv-2013-11
一方、とあるカンファレンスのパネルセッションで異なった見解を耳にしました。「NHKスペシャルの企画に役立てるために視聴者のリテラシーを調査したらピラミッド的な分類になった。三角の上の方(上位の視聴者層)には熱心な視聴者がいて彼らは年配だが意外にPCを使いながらテレビを見たりする。ドキュメンタリーのターゲットは彼らだろう。もうちょっとくつろいで視聴するのはドラマ視聴者、さらに退屈しのぎで観る層はバラエティ好き。」という内容です。
メディアリテラシの高い層はインターネットに流れる。特に忙しいビジネスマンや高所得を得られる層はTV視聴ではなく自分の空いている時間に必要な情報を入手するという手段に移行しているのです。仮にテレビを見るとすれば、ドキュメンタリやNHKの大河ドラマなど。一方、退屈しのぎにテレビ視聴をしている層はバラエティが好きでテレビ視聴者はこの層が最も多い。そしてこの層はテレビと同時にインターネットも見ているのです。TVは「同時視聴」ができることが最大のメリットで、他のインフラでは代替できないのです。だから「バルス祭り」(ラピュタで呪文を唱えるシーンで視聴者も一斉にツイッターやSNSでつぶやき盛り上がる)のような現象が発生し、訴求するポイントがこれまえと異なってくる。
今後、テレビ視聴率が減少傾向にあることは間違いないでしょう。しかし、あるポイントで下げ止まり、同時視聴ができるテレビとオンデマンドで視聴できるネットとが使い分けられ、共存していくのも事実です。従って今後も視聴率という言葉はメディアに出てくるでしょうが、その集合の偏りが昔よりもいびつになっていることを理解しておくことは必要ですね。