早嶋です。
係長、課長代理、課長補佐、部長代理と管理職の中に更に役割を用意している企業が観察できます。企業の昇進昇格の仕組みが昔と今であっていない。むりくり精度を合わせてきた結果です。従って、無意味な役割が増え意思決定の流れが複雑になります。
企業が成長しているときに大量採用を行う。市場が急激に冷え込むと、その人材の活路を見いだせなくなり、いわゆる早期退職者を募る。これがうまくいかなくなると、いわゆる「追い出し部屋」を作り、仕事も与えないで、自ら辞めるように仕向けて行く。
上記のような動きは大企業や中堅企業で観察できます。経営者として、上記のような組織の扱い方には疑問詞がつきます。会社の重要な経営資源である人材の活用があまりにもネガティブだからです。そもそもこのような発想になる根本は、多くの企業が平均的な仕事を行う人材を獲得してきた、或いは教育してこなかった結果かもしれません。
自分の仕事において、新しい仕事を自ら考えて行わず、これまで通りの仕事に満足する。引き継ぎがあった場合は、前任者と同じ顧客、課題を追い求めて、これまで通りの仕事を行う。しかし、平均的な仕事を継続すると、必ず企業の業績は下がります。市場自体が小さくなっているからです。
仕事は、上司があたえるものでもなく、自分で見つけ自分なりのやり方を見つけるものだと思います。勿論、組織や部門の大きな方向性を無視してはいけません。しかし、常に新しい価値を創出する気持ちで取り組まなければ、平均的な仕事になり、他社と差を付けられるようになります。
企業はそもそも社会保障団体ではありません。これは経営者も社員も良く理解する必要があると思います。企業に務める会社人の人材のピークは35〜40歳ぐらいです。もっとも仕事ができる時期は、上述した係長や課長補佐クラスの年代で、徐々に実務をこなす能力が低下します。
50歳を超えると、新しいスキルは中々みにつきません。従って、これまで蓄積した経験をベースに仕事の内面を磨くことになります。上記のような人間の体力や能力のことを加味しても、脱平均的な発想があれば、企業も社員も努力をするようになります。が、実際は、多くの努力をせずに、組織にぶら下がって行く方も多いのです。
企業が定年を伸ばしたところで解決になりません。平均でしか仕事を行わない社員が増えれば、会社の業績は伸びません。そして、その母数が多く、働く期間が伸びれば企業が負担する固定費が増えます。そのために会社全体の給与を下げて対応する。従って、生涯賃金自体が増えなくなります。
このまま本質を見ないで安易な解決策を行うと、実務を行い平均以上の仕事を行う中堅や若手社員が割を食うことになります。これは社員にとっても企業にとっても国にとっても不幸なことです。