モラトリアム法

2013年3月12日 火曜日

早嶋です。

中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が3月で終了します。自民党の英断だと思います。が、この結果、中小企業に破綻する先が徐々に出てくることになります。30万から40万社の中小企業が活用し、5万から6万社が事業再生が必要と言われています。

金融円滑化法下の貸出条件緩和債権(不良債権)については「中小企業が条件変更等を行う際、経営再建計画等がなくても、最長1年以内に計画等を策定できる見込みがあれば、不良債権とならない」とされていました。しかし、これも期限終了後には金融機関に不良債権とみなされる可能性が高いと思います。
参照:http://j-net21.smrj.go.jp/well/qa/entry/834.html

つまり、経営の厳しい企業側にとって条件変更が出来なくなるために手元資金が枯渇し倒産ならざるを得ないということです。業界筋の予測では今後、これらの不良債権は消費者金融に移管する可能性があるとのこと。金融庁が消費者金融の債権回収力を活用する意図が背景です。因果関係をどう捉えるかは別として、現在、消費者金融の株価が上昇しています。また、政府としても7月の参院選前に経済情勢を急激に悪化させるわけにはいかないので辻褄はあいますね。

政府としても、中小企業の債権処理による経済の落ち込みと景気活性化の金融財政政策、円安政策をどのようにうまくバランスをとるか、選挙までの短期間も非常に重要な局面と捉えているでしょう。



コメント / トラックバック6件

  1. あつろう より:

    モラトリアム法自体が悪法だったのではないでしょうか
    つまり、もうかってない会社に”借金返すのもうちょっとあとでもいいよ”といってもその会社はもうかっていないのですから、借金は増えるばかりです。
    もうかっていないのであれば、儲かる会社につくりかえるべきでしょう。その指導を行うのが行政の役割でしょう

  2. biznavi より:

    生き残るべき会社、たたむ会社。競争社会で正当なルールを適用しないと強い会社、良いイノベーションは生まれないと思います。そういう意味で、私もそもそもの間違いだったと思います。

  3. 早嶋 より:

    こうした企業再生支援自体には反対という立場ではありません。
    問題は、優遇的な融資をする際も含めて、その企業の分析やインタビューする方のスキルが圧倒的に欠如していることです。真剣に取り組んで再生を試みているのか?ただの甘えで延命を望んでいるのか?そのような区別を行う眼力が担当者にも欲しいものです。

  4. 壁際珍事 より:

    消費者金融は、法律が変わって、金利の上限が下げられたり、借り手の年収の○分の1までしか貸し出せない、といった上限が設けられたりしましたね。つまり、マーケットが縮小した。従来と同じ業界規模を維持するためには、別のマーケットを探さないとなりませんね。

    その新マーケット作りを、政府がお膳立てしてるんですね。なんたること、驚きです! 消費者金融から政治家(の支援団体や政党)への献金なんてのも、あるんでしょうね。

    消費者金融が悪だ、債権回収業者は鬼だ、とは言いませんが、一部、エゲつない取り立てをしている業者がいることも事実です。またぞろ「目ん玉売らんかい!」という社会問題が出現しそうです。何とかならないものでしょうか。

  5. あつろう より:

    インタビュー…(あと思い出せない(^_^;))まさに、コンサルティングのスキルですよね

  6. biznavi より:

    行き過ぎた債券回収は良くないですが、正当に行なっている方も多いでしょうね。ただ、シナリオとして仮に、コメントに書いたようになると、1年くらいすると、行き過ぎた債権回収、というような記事が出てくることはそうぞうできますね。

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