早嶋です。
スポーツ施設や音楽活動をする場など、過去、単発的なイベント活動を誘致することを目的にハードに投資して経済を活性化する動きが多々取られてきました。が、単発的であるがゆえ、そのイベントが終了すると急に閑古鳥。継続的にハードと街の人達の交流などのソフトにフォーカスしなかった結果です。このシナリオの共通の結末はハードの維持費がかさみ破綻です。このような状況は色々な都市を見ていて非常に多く感じます。
都市の繁栄は、イベントを単発的に定期的に行いながら盛り上げるものではなく、そこに人が定住して常に人の往来があって生まれます。そしてその結果、継続的な活動が生み出され経済が繁栄すべくものにしないといけないと思います。従って、政策も長期的、恒常的な部分にフォーカスを充てて欲しい。票という観点からすると後者は地味にうつるのでしょう。どうしても一発花火を打ち上げてワッと盛り上がったほうが良いと感じるのでしょう。どこかの都市が箱を作ったら瞬く間に、そのコピペが全国に広がる。
イベント型が有効なのは、そのイベントと都市の継続的な発展を結びつけた時だと思います。昔からの町内の祭りなどは、その晴れの日を楽しむために、日々大変な仕事に打ち込み、人との交流の結果お祭りを迎えてきました。その街に住む人々が恒常的に交流を行い結果的に都市が維持されていく。そんな内発的な努力の継続による発展とイベントが結びつけば意味は大きくあります。
であれば、イベントはスポット的な効果とその後にその都市がどのように反映するのか?を正しく議論することが正しい位置づけになるでしょう。昨今の五輪、W杯の開催では決まって瞬間風速的な経済効果ばかりにフォーカスがいき、その後、そのイベントで投資されたハードはどうなるのか?などの議論は皆無です。マスコミを含め、常にイベント絶対主義の雰囲気で盛り上がっています。
参照:2020年五輪を東京へ、経済効果は3兆円
http://president.jp/articles/-/8695
昨年のロンドン・オリンピックを見ていて、オリンピックにどれだけの価値があるのだろうか?と思います。北京オリンピックもだいぶ派手に行われましたが、都市の向上はおろか、今では誰も行きたくない郊外都市のワーストワンになっています。ギリシャでも五輪開催後から景気が芳しくない状況に陥っています。既にインフラが整っている先進国で開催しても五輪が与えるその後のインパクトは薄れていくのでしょう。
イベントを支えるベースが、その都市を常に訪れたくなるような絶え間ない都市の努力があり、効果がでる。ということをベースに考えると、五輪の開催は、過去に開催が無い新興国に譲るくらいの器量があっても良いと思います。過去に経験がある場合は、早急にインフラの整備を整える必要があるような仙台や福島など復興のメッセージを世界に送る。或いは、広島や長崎などのように世界に平和のメッセージが遅れるなど、世界的に意義がある場合に検討するというようなことを考慮しても良いと思います。
参考:五輪後に景気が悪くなる理由 夏季6大会で例外は1つだけ
http://www.nikkei.com/news/print-article/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGXDZO45592940R30C12A8W14001&uah=DF100520127548
お金をかけずにオリンピックを開催しようとしている東京都の招致活動、イベントそのものを否定しているのではありません。要は、イベントありきで、継続性の無い活動を目的にしちゃいかんと思うのです。今東京が直面している課題は何か?超高齢化、インフラの老朽化、財政状況の悪化です。オリンピックを開催した後、これらの課題が解決するシナリオに結びつくとは思えない。継続性という観点で冷静に議論をする。そして、開催後の都市をどのように活性化していくのか?にサイドフォーカスして欲しいと感じます。
■東京都の課題
超高齢化
65歳以上の高齢者人口は2010年には264万人、2030年には343万人に増加する見込み(全体の26%以上)。高齢者独居世帯は62万世帯でこの30年で6倍になり、高齢者の見守り体制の整備が重要施策。また高齢者用施設も不足している他、バリアフリー化も不十分。
インフラ老朽化
下水道は1割が法廷耐用年数を超え、首都高も完成から30年を越える路線が半分以上。首都直下型地震に備える意味でも早急な対策が必要。
財政状態
平成19年に5.5兆円あった税収は4.1兆円に落ち込んでおり、基金残高も1,000から2,000億円減少している。東京都は法人二税への依存度が高く、景気回復が見込めず、直近の円高等で製造業の海外移転などによる東京からの流出が続き、今後も大幅な回復は見込めない。
参考情報:
時論公論 「首都東京をどうする・新都知事の課題」 – NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/141388.html
首都圏における広域的課題の現状 – 東京都知事本局ホームページ
http://www.chijihon.metro.tokyo.jp/jiti/shiryoushitsu/pdf/tokyo/tokyo_syutoken_kouikikadai.pdf
五輪の他課題と企画してのプライオリティティの低さ経済効果が微々たるもdあること…国民、都民に正しく伝えた上で議論してもらわなけばならないでしょうで。
今回のIOCのおもてなしが虚しく無意味なものにおもえてきます
〉 今東京が直面している課題は何か?超高齢化、インフラの老朽化、財政状況の悪化です。
確かに、これら東京の今の課題は、オリンピックと全然、関係ないですね。新興国に譲る器量。なるほど、そうですね。それが大人ってものでしょう。ロビー活動にうん億円も浪費するぐらいなら、よほど有効な使い道が他にありそうです。僕自身はオリンピック東京開催は望みますが、一方で、誘致合戦の舞台裏など見ると興ざめしちゃいます。
パリ等の都市は歴史的遺産があって、観光客が大勢訪れます。日本も奈良、京都、鎌倉、各地の小京都がありますね。これら遺産と新しいソフト(演出)で、何とかできそうなきがしますが・・・。
ちなみに「経済効果3兆円」というのは、変な表現ですよね。経済とは「経国済民」。つまり国を治め民を助けること。「国を治め民を助ける、が3兆円」って、変です。それを言うなら「金銭波及効果が3兆円」です。いつの間にか「経済」=銭勘定になっちゃってるから。嘆かわしいものです。
長期的な繁栄をベースに、現味の策をうつ。そんな発想が必要ですよね。そう思います。
エコノミクスを表す日本語はないかな?と無理やり見つけてきた言葉なのでしょうか、”経済”は
エコノミクスは
1 the study of how a society its money ,trade and industry
2 the way in which money influence,or is organized within an area of business or society
と定義させれいるようです
(オックスフォード英英辞典)
いずれにしてもお金のはなし。日本語の意味する「経済」とは似て非なるもののようです
経済学者やマスコミが中心に発していますね。ドナルドレーガンが大統領だった当時に、レーガノミクスという言い回しがありました。これにちなんでの言葉だと思います。
レーガノミクスは成功しましたが、アベノミクスも成功すればいいのですが…
本質的に変化がない。為替の営業で利益が出ている企業は良いが、海外との為替等に大きく影響されない中小零細は変化なし。というところでしょうね。