一連の体罰に見る本質は何か

2013年2月6日 水曜日

早嶋です。

女子柔道会含め、スポーツ業界、その他で発生する体罰。

まず推測ですが園田監督自身も、小さい頃からスパルタで柔道を体に染み込ませた。大学でも先輩からの指導が体罰という形で当たり前にあり、結果的に歪んだ形でトレーニングを積んできた。そしてオリンピック選手となり活躍したのではないか。この点において同情の余地はあります。が、今回の体罰に加えパワハラに対しては知性の乏しい生物が行うイジメ行為にほかならないと感じます。

柔道が急激に弱くなってきている背景に、指導の在り方やスポーツに対する研究の仕方が背景にあるのでしょう。既に柔道にも科学的なアプローチが取り入れられています。監督もただ強かったから、ではなく指導を行うプロとしての志やコーチングなどの理論を積む必要があると思います。加えて、園田監督の指導の在り方にたいして、その組織の上層部は何も認知していなかったわけだから、柔道連盟の組織の在り方にもメスを入れていく必要があると思います。

一方マスコミにも疑問があります。本質は、指導、スポーツの捉え方が10年、20年のスパンで変わっていて、その取組に遅れを取っている業界の現状です。これに対して、表面的な体罰の有無を必死に取り上げ、表面的な出来事を問題として本質に掘り下げない姿勢に対して疑問を感じます。

欧米ではスポーツに科学を取り入れて勝利を導いている部分もあります。一方の日本では未だに精神論という偏った考え方が蔓延している部分もあるのでしょう。スポーツという人間の限界に挑戦する行動にもロジックが重要になる部分もあります。極限を追い求めていくスポーツ所以に精神を追い詰めるという状況を敢えて作るのも重要です。しかし、それを理論で補うことで理解が深まるのではないでしょうか。要は、科学と根性の両輪を上手く取り入れて行く時代が今なのではないでしょうか。

これは、スポーツのみならず企業の経営の在り方や営業の在り方にも例えることができると思います。それを代表する言葉が、体育会系です。特に体育会系という言葉が勝手に独り歩きして、考えることに終止符を打っているのではないでしょうか。職場でもあの方は体育会系だから、とある意味理屈が通らなくても片付けられてします。言われた方も、なぜか言葉が出せなくなる。暗黙の了解になっているものの、本質的な解を導かないままでいる。

世の中の景気が良く右肩あがりの状況の時は、良かったでしょうが、今では通用しなくなっている。言葉の問題ではなく、一言、言葉のニュアンスで考えることを停止することです。今回の報道も体罰の有無という表面にフォーカスされて、そもそも何が起こってこのような現象が生じているのか?そのような議論を発生させるマスコミは皆無です。



コメント / トラックバック9件

  1. あつろう より:

    に対しては知性の乏しい生物が行うイジメ行為にほかならないと感じます。
    →頭の悪いに人間は暴力のみが唯一のよりどころなのですよね。暴力団しかり暴走族しかりです

    す。加えて、園田監督の指導の在り方にたいして、その組織の上層部は何も認知していなかったわけだから、柔道連盟の組織の在り方にもメスを入れていく必要があると思います。

    マネジメントコントロールにおけるリザルトコントロールですよね。メダルさえとってくれば、プロセスは問わないのですよね。

    これは、スポーツのみならず企業の経営の在り方や営業の在り方にも例えることができると思います。それを代表する言葉が、体育会系です。特に体育会系という言葉が勝手に独り歩きして、考えることに終止符を打っているのではないでしょうか。職場でもあの方は体育会系だから、とある意味理屈が通らなくても片付けられてします。言われた方も、なぜか言葉が出せなくなる。暗黙の了解になっているものの、本質的な解を導かないままでいる。
    →こういった抽象語が逃げ道になっている部分はあるでしょうね。それ以上考える必要がないので、楽ですから。

  2. biznavi より:

    頭の良し悪しは別として、体罰の継続には反対です。

  3. 壁際珍事 より:

    文系、理系、体育会系、文化系。そういう分け方って、分かりやすいですが、大切な何かを取りこぼしている気がします。文化人でもスポーツ好きはいるし、スポーツ選手でも科学を重んじる人はいる。それが、その個人にっとって、人生の豊かさになると思います。

    一方、組織、団体としても、そうした豊かさ(強さ)を持った選手は、主力選手になりえるし、精神的支柱になってくれると思うんですね。

    イチローはなぜ野球をしているか? 監督に暴力でやらされているから? 高額な年俸が欲しいから? 違いますね。野球が好きだし、(万人でなくとも一部の理解者に)認めてもらいたいからでしょう。

    確かに、暴力で言うことを聞かせることはできても、そこに高いパフォーマンスは期待できない。高いパフォーマンスのためには、内的な自発性が不可欠だと思います。そんなこと、かつての一流アスリートだった人には、自身の経験からも当然だと思いますが、そうでなかった。残念なことです。

  4. biznavi より:

    外的要因と内的要因、最終的に大きな力と継続を提供するのは内的要因なのでしょうね。

  5. あつろう より:

    壁際珍事様
    はじめてレスつけさせていただきます、あつろうともうしますよろしくおねがいします

    確かに、暴力で言うことを聞かせることはできても、そこに高いパフォーマンスは期待できない。

    →そうですね、スポーツではよく精神論がかたられますが、暴力的行為によって精神がつよくなるわけではありませんよね。そもそも精神がつよくなればパフォーマンスがあがるかどうか疑問ですが

    高いパフォーマンスのためには、内的な自発性が不可欠だと思います。

    →早嶋様もおっしゃられていますが内発的動機付けが必要だとおもいます。

    組織の人間にいかに気持ちよく働いてもらうかがリーダーシップであったりマネジメントであったりするとおもうのですがいかがでしょうか。いあわゆる組織行動論ですね

  6. biznavi より:

    積極的なコメント、ありがとうございます!

  7. 壁際珍事 より:

    > 組織の人間にいかに気持ちよく働いてもらうかがリーダーシップであったり
    〉 ネジメントであったりするとおもうのですがいかがでしょうか。

    全くその通りだと思います。気持ちよく、かつハイパフォーマンスで、ですね。

  8. biznavi より:

    チームを我がものにする。チームはみんなのもの。スタンスの在り方にも課題がありますね。

  9. あつろう より:

    早嶋様

    環境コントロールですよね
    これが一番むずかしい。間接的、働きかけですから

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