普段いる組織の中では自分を客観的に見ることは難しい。土俵をずらすことがピンとこないでしょう。大きな組織の中で仕事をしていると自分の能力が見えないのも他の組織を知らないからです。
ヒトは絶対的な判断が苦手です。相対的に判断します。組織の中で周りが優秀であれば、自分は劣った人間、或は普通の人間と判断するでしょう。大きな組織で仕事をしていれば、上の役割は2割くらいないので、8割くらいのヒトが自分は普通だ、平均的だと考えるかもしれません。
そんな時、他流試合をするのは妙案です。全く関係ない業界の集まりに顔を出す。大企業であれば中小企業の人々と接触する。普段技術畑のヒトは営業畑と接する。アーティストはサイエンティストと会ってみる。とにかく普段の自分と遠ければ遠いほど効果があるでしょう。そして気づいて下さい。自分だけのオリジナルの力を。それに気がつけばきっと人生が明るくなります。その感覚が小さな一歩を踏み出し、やがて大きな一歩につながります。
一方で、ヒトにも慣性の法則が働くから、これまでと違うことを好みません。何かをする場合、新しいことをする場合、これまでの努力や体験を無駄にすると考えます。しかし考えてみて下さい。なんとなくこのまま過ごすのか?明るい先のために今の行動を変えるのか?どちらが良いのかを。
このように考えると、過去とって来た経験や行動は、今を基軸に考えると、どちらをとっても関係ないのです。だったら新しい行動を試してみるのはいかがでしょうか?頭で分かっていても、なかなか新しいことを始めるのは難しい。大きな石が一つの所にとどまっているように、ヒトもこれまでの生活や考え方や習慣を変えるのが苦手です。このコストは、スイッチングコストみたいなものです。リクツでは計算できない何かがあります。
でも、その先を考えていたら、動いてから確かめるのも一つの方法です。
森毅という学者が、人生二毛作ということを言っていました。新しいことを始めるのは勇気がいることだけど、素晴らしいことですよね。
他流試合といのは、「試しにやってみる」というレベルでとてもいいと思います。会社人間は、地域の集まり、趣味の集まり、ボランティアグループなどに、顔を出してみる、というのもいいでしょうね。
父が小さい頃に良く言っていた言葉を思い出します。人生二毛作も有りだと。何もしないのはヌケ作だ!と。
緩やかな他流試合もいいですね!
そうですね。本格的に二毛作目に取り掛かる前に、試しにちょっとやってみる。それが他流試合。いつまでも他流試合を繰り返すようだとだめだけど、何種目かやってみて、コレダ、というものを見つけられるといいですね。
本業を続ける(一毛作を続ける)にしても、視点のチェンジを学べる。得るものが多いですよね。