カンニングOKなビジネス。

2011年8月28日 日曜日

早嶋です。

戦略の本質は違いを作ること。そのためにアナリシス(分析)とシンセシス(綜合)を繰り返しますが、どうも分析で終わって、その後どうするの?が不足しています。アナリシスの部分は科学なので誰でも手法を学べば出来ますが、シンセシスの部分はアートです。そのチームや環境や方向性など、絡みあう様々な要素をベースに結びつけて行く作業が必要です。そう、シンセシスの作業を行い継続することで模倣が極めて難しい、しかしその組織にとっては再現性が高い違いができるのです。

ビジネスはカンニングOKの世界です。他の企業や競合する企業、代替する企業を模倣することは可能です。しかし猿真似したとて、上手くいかない場合があります。というか殆どの場合、上手くいかないでしょう。考えてみれば当然です。その模倣している企業と真似している企業ではあらゆる面で前提条件が異なるからです。それなのに、右から左で真似をする方も少なくありません。そして、どういう分けか、それが戦略的に行っている!などと言っている場合も多いです。

大切なのは、違いは一気にできるモノではないということです。その企業が置かれている状況や組織の要因など、様々な要因を絡ませていきながら構築していく作業です。従って、違いを作るためには、違いを生み出すためのコンセプトが明確で、それぞれのコンセプトを明確に結びつけて組織に提供することが大切です。ある企業の一瞬を真似してもいけない。もし、徹底的に違いを作るのであれば、ある企業の一瞬ではなく、その企業が行っていることを一つ一つ動画のように再現する必要があります。これはさすがに難しいでしょうね。

と言うことは、静止画を真似したとしても、その写真を結びつけるのは、模倣している企業によってやり方が千差万別でしょう。しかし、その結びつきが上手く行けば、それは真似では無く、全く新しい違いが産まれるかも知れません。そういう意味でカンニングOKなのです。



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