本日は、新宮町役場にて交渉のワークショップでした。
その中で出た事例です。内容は平易ですが、交渉を考える上で非常に重要なコンセプトが混じっていますので紹介します。
■事例
3人家族で旅行を計画していた。交渉の内容は、以下の通り。
妻:安く抑えたい、海に行きたい、ホテルに泊まりたい
夫と子供:少し予算を上げたい、山に行きたい、旅館に泊まりたい
さて、この内容で永遠に議論しても平行線をたどるだけでしょう。
そこで、双方の利害を分析します。
そもそも、なぜ旅行に行くのか?すると、次のような共通のゴールが明らかになりました。
1)最近仕事が立て込んでいて計画していた旅行が行けていなかった、休養の目的
2)夫と息子の関係が一時的に悪化していたため旅行をきっかけに仲直り計画
つまり、互いに海や山を議論しても根本的な解決になりませんが、そもそもなぜ旅行に行くのか?という共通のゴールに対しての妥協点をそれぞれの利害関係者が見つけていくように互いが譲歩したら交渉は成立していくのです。
妻が予行の予算を少し抑えたい理由は家計を任されており、少しの予算オーバーが年間の計画を狂わすことを懸念していたから。一方、夫は久々の旅行であるから前回分を少しくらい上乗せしても良いと考えた、更に息子との仲直りなのでいつもより景気を良くしたいと思っていた。
共通のゴールを理解出来れば、それぞれがそのように主張していることも筋が通っていることが理解できます。後は、それぞれが共通のゴールを満たすように話し合えば良いのです。
企業でも、言えることですね。お客さんのニーズを満たしたくて無理を承知で引き受ける営業部門と、平準的に生産したい製造部門とで、衝突が生じがちです。
営業部門、製造部門、共通のゴールは何か? それは、お客さまの満足でしょう。であれば営業部門の意見が一見正しそうですが、製造現場が混乱して納期や品質に問題が生じると、かえってお客さんに迷惑をかけてしまう。営業部門は真にお客さんのニーズを考えているのか?自分の営業成績が心配なだけでないのか? う~ん、なかなか難しい。
コメントありがとうございます。
そうですよね、目に見えない、あるいは見ていない共通のゴールがあるのに。
問題解決のポイントは複雑な事をシンプルに捉えることですね。