ナノの国民車構想が危ない

2011年1月1日 土曜日

2003年。1台のスクーターに家族で相乗りするインド人にも乗用車を提供したい!そんな意気込みで開発されたナノ。タタ氏が公言した国民車構想。ふたを開けて見れば所有者はまだまだ富裕層。中間層が多い街並みでは見かけることが殆どないといいます。

そのナノ。ジワリジワリと価格が上昇しています。ナノは地域によって頃なる価格設定を導入しているようですが、ムンバイでは現在14万9357ルピー。去年の7月は13万4294ルピーだったのを考えると11%近く上昇していることがわかります。

国民車構想が宣言された当初は10万ルピーの自動車だったので、このときから比較すると7割もアップしている計算になります。

理由は原材料高。インドでは経済成長に伴い、合成ゴムが過去5年間で5割、鋼板が4割上昇しています。他の部品もかなり値上がりしているようです。今年の9月にタタ財閥はナノが赤字であることを発表していますので、この値上げ対策も赤字を抑えていく対策でしょう。

大きな構想であってもやはり利益を伴わなければビジネスとは言えないのでしょうね。

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