今年7月に個人の観光ビザの発給条件が緩和したことを受け、訪日中国人観光客の消費スタイルに変化が起きているようです。
カジュアル化。
これまでは富裕層の中でも、特にお金持ちの観光客が多く訪日されていましたが、今回の緩和で富裕層の中でもやや真ん中のクラスの方々が増加したのが理由でしょう。買い物は自分重視、手軽な流行ファッションを楽しみ、日本の雰囲気は居酒屋で。日本の日常的な生活を垣間見るような観光スタイルが流行しているようです。
観光客の中でも人気商品が化粧品。これも高価な化粧品ではなく、日本人が普通に日常的に使う商品を中心に買い求めるそうです。新宿3丁目のマツキヨでは、アクアレーベルなどの商品が良く売れています。7月以前は、資生堂のお中でも高価格帯のHAKUでした。中間層の購買変化が良く表れています。
秋葉原のラオックスでは、7月の売上高は中国人の来店による影響で売上高は4月に比べて1.5倍増との発表がありました。しかし、一人当たりの客単価は低下しています。この理由は、単価の低い白物家電やセラミック包丁、爪切りなどの小物類が急速に売上比率を上げているからだそうです。ここにも中間層の上陸を垣間見る事ができます。
居酒屋大手のワタミでは、東京の繁華街を中心に毎日中国からの観光客が来る店が全体の1割にあたる90店舗近くあるそうです。そのため中国語のメニュー表の準備などの対応をしています。
近年、海外に行っても国内の観光スポットに行っても海外、特に中国、台湾、韓国の言葉を良く耳にします。この傾向はあらゆるビジネスにとって無視できない社会的な現象ですね。
早嶋聡史