ビジョンを持とう!

2010年8月1日 日曜日

最近、経営者や起業家、もしくは学生の方々に対して、将来の事を考える、いわゆるヴィジョン・ミーティング的なワークショップを開催しています。たまたま企業研修に参加して頂いた方が声をかけて下さり、早嶋にファシリテーターになってくれないか?という事がきっかけで不定期に開催しています。

将来について質問を投げかけると、多くの方が「老後の不安」を掲げています。しかし、一体老後の何に不安を抱えているのか?実際、どのような人生を送りたいのか?いろいろ聞いていると、老後の不安のせいにして、実は考えていないだけのことだった、というのが多いのです。

例えば、8割くらいの日本人は「将来のため」という項目で貯蓄をしています。しかし、その貯蓄の具体的な使い道を聞いても、あやふやな考えしか返ってきません。実際、貯蓄したお金は、お墓まで持っていくパターンがほとんどです。

世の中の統計をみると、海外では高齢者になるほど金融資産が目減りしていく、つまり消費していくのが普通です。一方、日本では年金の3割を貯蓄に回していると言われています。そのため平均的な日本人は高齢になるにつれ資産が増えていき、最終的に平均3000万円から3500万円の資産を残して死んで行くのです。

更に資産を運用する発想はほぼなく、貯金が唯一の方法かの如く、リターンが1%以下の金融商品に平気で置いているのが現実です。

定年後、確かに不安は在るでしょうが、年金も生命保険もあるのです。それなのにせっせと貯金する。そしてその目的は「いざというとき」。そして、いざというときを問うと、自分が寝たきりになったり、介護が必要になったことの事を話します。確かに年をとるとどうにもならなくなる場合もありますが、統計を見ると介護が必要な70代後半の割合は現在でも15%程度です。多くの人が介護が必要になる前に、元気に逝くか、病院で息を引き取っているそうです。

老後。

簡単な言葉ですが、もう少し人生の設計をして、自分がどうしたいのか?を含めて考えると、時間やお金の使い方に幅が出てくると思います。そして、自分がどうしたいのか?を具体化する事で、若いうちから取り組むべ事が見えてくるから、実際に達成する確率が高くなります。老後の心配にまわすお金を自分が設計する老後にフィットしたお金と時間の使い方が出来るので、堂々とお金と時間を使う事ができるのです。

先日、日本人の平均寿命が更に更新されたと報道が在りました。男性が79歳、女性が86歳です。この統計値は、生まれてからすぐになくなる方の総数なども含まれているので、今30代とか40代の人は、この平均寿命よりもさらに長くなるでしょう。

例えば、今40代だったら、男性は79歳より長く生きられう可能性があり、後40年以上。女性だったら86歳より長く生きる可能性があり、後50年くらいの余命があることになります。60歳でかりに会社を離れたとしても、実はたっぷり時間があるということがわかります。

もし、退職するその時まで、退職後の事を考えていなければどうでしょうか?退職してから時間があるから?では、実際に自分が何をしたいのか?も考えずに、これまで通り惰性で生きていくかもしれません。

もちろん、否定はしませんが。せっかく自分の人生です。自分でコントロールして生きていく方法もあることを知っておくことは、自身の生き方をワクワクさせることにつながるかもしれません。

早嶋聡史



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