スペインのオリーブオイル

2010年7月16日 金曜日

オリーブオイルの主要な生産国は世界的にみるとスペインなのに、多くの消費者がイタリアのオリーブオイルに好意を抱いています。生産量でいうと世界の約半数はスペインで生産されています。そしてイタリアの生産規模は世界で2番目。

イタリアは上手くブランドを築いたのが理由です。話はこうです。スペインからオリーブオイルを輸入してそれを缶やボトルに詰めてイタリアのオリーブオイルとして輸出するのです。

これに対してスペインは対抗策を講じました。まずは、スペインのオリーブオイル生産は世界で一番ですよ!と明確に位置づけたのです。事実、消費者の頭の中にはスペインのオリーブオイルなど存在していなかったので、世界一のイメージをしっかりと植え付ける作戦でした。これを実現するために、スペイン産のオリーブオイルの全てにスペインの産地証明書を付けました。

二つ目の作戦が素晴らしいのです。「二千年前、私たちのお得意様はローマ人でした。それは今日でも変わりません。」という事実に基づいたメッセージを上手く活用してスペインのオリーブオイルの認知を得ようとしたのです。

そして最後のステップでは、顧客がスペイン産のオリーブオイルである事を容易に知れるように、スペイン産のオリーブオイルの商品には全て、それと分かるシールを貼ったのです。

早嶋聡史



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