生涯価値

2006年7月24日 月曜日

早嶋です。

生涯価値について。
新規の顧客が、同じ製品やサービスを繰り返し購入するようになったとしたら、企業は、顧客が買いやすいようにできる限りの努力をしていると思います。顧客が買い求めやすくなるような努力は、意識的であっても、無意識であっても、顧客にとってはとてもありがたいものです。

もし、一人の顧客に対して、それが一回限りの商売だと考えると、顧客に対して接することをあきらめる場合もあるでしょう。企業にとって、一人の顧客が与えてくれる利益の大きさを見極め、それを理解することは重要です。そうすることで、初めての顧客を獲得するために、社員がどれだけの時間や労力、コストをかければいいかが判断できるからです。

この判断する基準が生涯価値になります。一回の取引で多額の利益を得れなくても、生涯にわたって繰り返し買ってもらうことで利益を厚くすることは可能です。

大学生のころ、新聞の売り込みが来ていました。3ヶ月分、ただにするから・・・、というのも生涯的な価値を図っての売込みだったのかも知れません。インターネットのプロバイダも、加入後、2ヶ月を無料にするということで、購入の障壁を低くしています。一人の顧客が生涯にわたって購入する額やサービスの料金がわかれば、上記のサービスは、かなり安いものだと判断できるでしょう。

このように考えれば、新規の顧客に対しては、イエスと言ってもらうよりも、ノーと言うほうが難しいアピールをするとよいことになります。初めて買う顧客に対して、製品やサービスを安くする方法は、手っ取りばやい方法であることは間違いないですね。ただ、これにはもっといろいろな方法が考えられます。

もっとも、事前に企業の製品やサービスに対して、その顧客がどの程度の生涯価値を提供してくれるかを事前に判断しておくことが前提です。仮に、値引きによって受け取れなかった金額をどれだけ調整するかによって、新規の見込み客に対して使えるマーケティングコストが計算できます。

たとえば、ある製品が2万円で、コストは1万円だったとします。平均的な顧客は数年の間に、数回はその製品を買ってくることがわかっているとすると、長期的にもかなりの利益を得ることがわかります。そこで、初回の価格を1万円に下げて、新規の顧客を獲得できれば収支はとんとんです。では、この1万円はほかの使い道はないでしょうか?

たとえば、価格を2万円のままにして、1万円を販売員への報奨金として与えることも考えられます。販売員にインセンティブを与えることで、大きな売り上げが期待できるかもしれません。

また、その1万円で、同じ製品をもう一つ買うこともできます。2万円のコストをかけたことになりますが、見込み顧客に、初めての購入で2倍の製品を提供することができます。

さらに、1万円で補足的なサービスを付加して、1万円の製品とセットで販売することもできます。初めての顧客に対しては、ひきつけるモノになるかもしれません。

他にも、その1万円を広告、セールスレターなどのマーケティングコストに使うこともできます。何れの場合でも、初回の販売で戦略的に収支をゼロにして、その許容範囲内でマーケティングを行うことによって、新しい顧客をひきつける方法を考えることができます。

—ただ今、ブログマーケティング実験中。—

実験の詳細は、『ブログマーケティング実験』『ブログマーケティング結果報告』をご覧ください。

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