次はトマト鍋でしょう。

2009年11月19日 木曜日

トマト鍋去年から人気が出始めたカレー鍋。今年も引き続き注目され、今後の定番の鍋メニューになるようです。鍋と言ったら福岡では水たきやモツ鍋ですが、今年はトマト鍋がダークホースかもしれません。

カレー鍋の出現によって、いわゆる超定番の鍋メニューに多様化の動きが出始めて、カレーに飽きた消費者や、カレー鍋以外を求めている食品業界のバイヤーが目を付けているのがトマト鍋。ぐるなびが調査したデータによると、トマト鍋に興味を持つ飲食店は約4割。まだまだメジャーになっていないメニューにも関わらず、飲食業界では早くも注目を集めている事がわかります。

また消費者もトマト鍋に興味を持ち始めているようです。同調査で、トマト鍋の検索キーワードが徐々に上位を占めているのです。飲食店側のトマト鍋の興味の理由は、鍋のバリエーションを増やしたい事。更に、ヘルシーなイメージがあり、女性との関連も考えているようです。

飲食店を離れて家庭用のレトルトスープでトマト鍋のヒットも出ています。カゴメのトマト鍋です。これまで、カゴメでは、ブイヤベースのトマト風味の鍋のスープを販売していました。しかし、こちらの料理を完成させるには、具材に一人300円から400円かかります。これだと4人家族のお家にはとっても高級な料理になってしまうため、販売不振という結果でした。

そこでカゴメのマーケターは考えたのでしょう。世の中のカレー鍋ブームに乗って、トマト鍋をと。多くの企業が同じカレー味で勝負をしていた頃、自社の強みを活かしてトマト土壌に持ち込みます。そして、昨今の景気の冷え込みを考えて料理のおかずに悩む子持ちの主婦をターゲットにしたのです。コンセプトはケチャップとソーセージ。子供が喜ぶメニューで、お手軽で、安価。

家庭回帰が進む昨今、こちらのトマト鍋が徐々に売れ始め、現在では売り切れが出るほどの反響です。最近は、「トマトのベーアー君」を登場させてカゴメ得意の集中的なテレビコマーシャルを使って、一気にトマト鍋のマス広告を初めています。お財布の中も気温も急激に冷え切った年末に向けて、ほくほくのトマト鍋が家庭に登場する機会が増えそうです。

因みに、このトマト鍋。最後のしめにご飯と卵を入れたらオムライスに、パスタを入れたらナポリタンに、とその変化ぶりには主婦も子供も大喜びでしょう。

早嶋聡史



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