早嶋です。
景気が回復し、デフレからも脱却しつつある・・・。さて、最近のマスコミ報道は正しいのでしょうか?
そもそも景気とは、景気循環を前提とした用語です。景気循環は経済全体の活動水準である景気において、循環的に見られる変動をさしています。この中で景気は波のように好景気と不景気が交互にやってくるとという考えを前提としています。この点で言うと日本の景気は、いまだ長期衰退に入っています。つまり、この時期に景気が良くなるという事自体、ありえないのです。
そして、デフレ。デフレは元々、モノの供給過剰によって価格が下落していく現象です。確かに、日本の物価は下がっています。しかし、日本は世界でも類を見ないほど物価の高い国。これは、過剰な規制や特殊な流通機構の存在がその原因です。近年、e-commerceやインターネットといったサイバー経済、国境の概念を払拭するボーダレス経済のおかげで、世界中で一番安くてよいものが調達できる仕組みが整い始めました。つまり、異常に高い物価が正常化しつつあるのです。このプロセスはデフレとは違った要因です。
すると、日本の景気が回復しているように見えるのは何故でしょう?一つに中国特需があります。近年利益を出している企業は、鉄鋼、金属、化学といった重厚長大産業が殆どで、これらは中国向けの輸出で大幅に利益を伸ばしています。こういった変化は、本来の景気循環とは無関係です。しかも、中国の政治状況を考えると、この特需が長期的に継続するとは考えにくいのです。
日本が長期衰退に入っていると考える理由は、①地価、②給与・可処分所得水準、③日経平均株価、があります。
①地価に関しては、91年をピークに下落しています。
②給与や可処分所得を示す指標もやはり97年をピークに下降しています。
③日経株価平均は、89年に4万円近くマークしたのを最後に、03年は8千円台、最近は持ち直したものの、ピーク時の40%程度にとどまっています。
ということで、マスコミが報道している内容をそのまま捉えても、景気が良い気分にはなりますが、実際に使うことが出来る可処分所得が増加することはありえないのですね。
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