クリティカルシンキング再び

2008年7月13日 日曜日

早嶋です。

本日、フィールドインタビュー2日目。当初、仮説を立てていた顧客像に新しい事実の発見を加えることが出来て、より明確な顧客像ができあがりつつあります。セグメンテーションの切り口を属性で区分することは難しいだろうと仮説を立てていましたが、2日間の現地調査とフィールドインタビューでその切り口を明らかにすることが出来ました。百聞は一見にしかず、ですね。

さて、マーケティングを考えるとき、論理的な思考と創造的な思考の両方が求められます。そして今回はその創造的な思考法にフォーカスします。

新しい考えを産むこと、自由に思考すること、創造的な思考法としてクリエイティブシンキング(whatwhyhow)と言う言葉があります。枠組みに捉われずに新たなアイデアを産む自由な思考法のことです。

クリエイティブシンキングの思考形態は論理的思考と違い、理論で結びつくという形態をとりません。何かの情報をもとにアイデアをどんどん膨らましていくからです。そういった意味でクリエイティブシンキングは水平的な思考と表現されます。

さて、クリティカルシンキング、昨今書籍やセミナーが多いのですが、この思考方法が必要とされている背景はどのようなものでしょうか?これに関してマーケティングの大御所、フィリップコトラーは興味深いことを述べています。新しい製品を打ち出してもその成功の確率は低い。ここで言う成功は、その商品によって得られる利益で、仮に利益が出たとしてもその利益は小さいことが多く、企業の飛躍に結びつく大きな獲得は難しい。その理由は何か?ずばり、伝統的な論理的な思考に基くマーケティング戦略の過度な発展だと。

これは、コトラーが提唱するSTPを指しています。STPでは全ての顧客という大きな1つの市場を定義して、その中から共通のニーズを満たし、競合と差別化するために細分化を行います。そして細分化するからこそ、その潜在的な市場の規模が小さくなると。

コトラーはこの状況を打破する方法にクリティカルシンキングを提案しています。正確には、イギリスの社会学者であるエドワード・デボノ氏が提案した水平思考です。これはマーケティング用語ではラテラル(水平)マーケティングと称されます。これは刺激を誘発することによって既存の枠組みから飛び出して新しい発想を産む方法です。上記のクリティカルシンキングの一種として定義されます。

言いたいことは、論理的な思考一本では、今の世の中を対応するには無理があり、そのためにクリエイティブシンキングを取り入れることが大切!と言うことです。

では、クリエイティブシンキングを実践するのは万人にも可能か?最近は、これに関してYESと応える学者さんが増えています。創造的な思考も、そのプロセスが研究され逆に、そのプロセスを理解して実践することによって誰でもおのずとアイデアマンに返信することが出来るのです。

そして、これらのプロセスを理解する過程で、脳の仕組みの解明が大きく影響しています。今、改めて創造的な思考などが万人向けに提供できるようになったのも脳のメカニズムが大分明らかになった要因が大きいでしょう。



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