安藤です。
今回は、「3つのパラダイムシフトと成功循環モデル」です。
近年、マイケル・ポーターが、CSV(Creating Shared Value)、社会との共通価値の創造)を提唱しています。CSV(Creating Shared Value「共通価値の創造」)は、
企業が社会課題や問題に取り組むことで社会的価値を創造し、その結果、経済的な価値も創造されることを意味します。
従来、経済効果と社会的価値の創出は相いれないものだと考えられてきました。しかし、その問題に対して両者の両立、ひいてはお互いがお互いを高め合う状況を目指すのがCSVといわれています。
平均寿命100年となる時代に、すべての人が「学び、つながり、成長し続ける人生を生きる」ために、社会システム全体が転機を迎えています。
ここでは、斎藤徹著のインターネットの時代、「3つのパラダイムシフト」について紹介いたします。
テクノロジーがもたらした3つのパラダイムシフトについて、
① ゲームのルールが変わった「デジタルシフト 1995年~」 顧客の幸せを探求し、常に新しい価値を生み出す「学習する組織」
② 人々の関係性が変わった「ソーシャルシフト 2008年~」 社会の幸せを探求し、持続可能な繁栄をわかちあう「共感する組織」
③ 一人ひとりの生き方が変わった「ライフシフト 2020年~」 社員の幸せを探求し、多様な人が自走して協働する「自走する組織」
こうした社会の変化が、組織に大きな影響を与えてきています。
価値を生む源泉が、効率性から創造性にシフトしていくと、それを実現する組織についても、「お金視点」から「幸せ視点」へとシフトが変わりつつある。といわれています。
デジタルシフト | ソーシャルシフト | ライフシフト | |
---|---|---|---|
開始年 | 1995〜 | 2008〜 | 2020〜 |
変容したもの | 事業のルール (場所と情報) |
関係性 (資本とつながり) |
生き方 (多様性と包括) |
新しい価値観 | アイデアだけで 起業できる |
持続可能な繁栄を わかちあう |
多様な生き方を 受け入れる |
繁栄するカギ | 技術とスピード | 共感と信頼 | 自立と対話 |
衰退する企業 | 既得権益に多様る企業 | 強欲な企業 | 統制する企業 |
求められる組織 | 学習する組織 | 共感する組織 | 自走する組織 |
幸せの視点 | 顧客の幸せ | 社会の幸せ | 社員の幸せ |
ライフシフトでは、「自走する組織」が挙げられていますが、組織だけでなく、労働者にも「自走する人生」が求められています。
人生100年時代には、40代半ばから定年後の自身の自走人生を見据えてキャリア形成が必須となってきています。
また、幸せの視点からは、「社員の幸せ」から経営、マネジメントを考えていく時代に突入してきています。
自走する組織には、リーダーシップもシェアードリーダシップ※へ、そして、内発的動機付けをどう促進していくか、その為には「働きやすい職場づくり」をどう構築していくのか。組織にとっても必然とテーマになってきました。
※シェアードリーダーシップとは、チームに所属するメンバーが個々に影響力をもち、リーダーとしての役割を担うことをいいます。
環境が変化しやすいVUCA(ブーカ)時代においては、複数人がリーダーシップを発揮し、多様な考え方や価値観に基づいて業務を行なうことが有効とされています。
働きやすい職場づくりには、組織モデルとして、ダニエル・キムが提唱した「成功循環モデル」が挙げられます。
成功循環モデルとは、『 ①関係の質 ⇒ ②思考の質 ⇒ ③行動の質 ⇒ ④結果の質 ⇒ ⑤関係の質 』 のことです。
① 安心・安全の場で率直に話し合える場をつくり、信頼関係を築く ⇒ ② 前向きな気持ちになり、いいアイデアが生まれる
③一人ひとりが自律的に行動し、問題がおきたら助け合う ④自然にパフォーマンスが高まり、成果がでる ⑤組織への帰属意識が高まり、さらに結果が深まるです。
関係者の共感を得て、みんなで「成功循環モデル」を創っていくには、まずは、「関係の質」が基本です。
そこには、以前も何度かテーマにしていますが、「関係の質」を高めるには、「心理的に安全な場づくり」がキーとなってきます。
そして、「心理的に安全な場づくり」は、それぞれの立場・役割を超えて、人として “対話”しながら取り組むことからスタートすると思います!
参考資料:斎藤徹著「だから僕たちは、組織を変えていける」
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