早嶋です。
既存の状態・仕組み・形・思考を新規のそれに変化させるまでには、当然ながら途中の姿がありますよね。そして、それを求めることが、実は新たな取組を実現する近道ではないかとここ数年の事業やコンサルを通じて感じています。
昔から、中庸。中正。中道なる言葉があります。極端な方向を求めずに妥当に真中を進むことですが、事を新たに起こす場合、特に既存の営みを既に行っている組織が実践する場合、この言葉や概念が当てはまると思うのです。
既存事業のビジネスモデルにどっぷり浸かっている企業は、少なくとも10年以上、同じ様な仕組みでマネジメントされています。従い、過去の延長で取り組むことが最も正しいとされ、何か新たな枠組みで考えようものなら生産性は落ち、過去の取り組みが無駄になることから、いつしか誰も発言をしなくなっています。
しかすここ数年、既存の事業がやっぱり上手くいかなくなる。或いは、その可能性が徐々に現実味を帯びて来ました。そこで一応経営者が新規事業やイノベーションと連呼していた行動が、やや資源を投下して本腰を入れる状態になっているのが現状です。
でも、組織は鋼よりも硬いもの。どっぷり浸かっている企業の中に、何か新たな取組をする人材はいないのです。そのような仕組みや思考を育成したことも無いので当然なのです。もし仮に存在していたとしたら、その人材はとうの昔に離職して別の企業で活躍していることでしょう。
しかし、トップが動き始めたらか、役員以下皆必死になって、一応指示を部長や課長におろして見る。既存の事業の枠組みで成果を上げて出世した役員ですので、実際、本に書いているような試行錯誤を経験したことが無いので、新規のイメージもつかない。かといっって今更自分が本腰を入れて取り組むのもなんとなく気が向かない。実際の気持ちは分かりませんが、結果的に、既存の事業でやはり成果を上げてきた課長や部長に火の粉が降りかかります。
そして、いきなりなぜか新規事業が出来る事を夢見て修行が始まるのです。