早嶋です。
成長している時期、特に店舗ビジネスなど、毎日同じ行動の結果、ある程度の成果が出る手の商売は、対前年比管理を当たり前のように実施していました。しかし、業績が下がっている昨今、その手法を見直すことをおすすめします。
その理由は、以下のような分析を行ってから考えて見てください。例えば、直近の成績から5年位のスパンで管理会計区分の売上で大きな単位でその推移を見てみます。売上=A商品郡+B商品郡+C商品郡=α事業部+β事業部+γ事業部=X店舗+Y店舗+Z店舗などが管理会計区分での売上になります。
日本経済の特徴として1996年頃を堺に殆どの業界がステイか下り坂です。そのため5年程度の推移を見れば、明らかに業績が激減していることが見えるでしょう。意外なことに、こと店舗ビジネスにおいて、店長は昨対比か昨月費の数字しか見ていないので、経営トップが言っている業績の激減や環境変化について「体感」していません。毎年、あるいは毎月、少しづつ下がっているイメージはあるものの、数字を比較する上では、あまり変化が見えないのです。
これは実は店長を管轄するスーパーバイザに対しても同じです。彼ら彼女らもまた短期的な店舗の業績に追われ自身の給与を管理されているためその日の売上に一喜一憂するため数年スパンの傾向値など見向きもしません。その結果、本部と店舗(現場)では、危機感の感情がかなり異なっています。
そこで上述したグラフの作成です。できれば、デジタルのこの時代、敢えてアナログで店長を集めて、5年分の数字を持参させ、あるいは提供してグラフを描いてもらうことが効果的です。もちろんエクセルでもOKです。すると改めて数字が激減していることを直視します。
例えば100店舗ある企業が同様のことをした場合、店舗によっても特徴が出てきます。その場合は、なぜA:伸びている店舗があるのか。B:なぜ変わらない店舗があるのか。C:なぜ減少している店舗があるのか。の3つに分けて店長同士ブレストさせます。これをエリアごと、管理会計上の商品郡ごとなど、いくつかの種類に分けて、その稽古うちをA、B、Cに分けてブレストさせます。日々目の前の経営に直面している店長、スーパーバイザに取って何気ないことがどんどんフラッシュバックして、思い当たるフシがどんどん言語化されます。
その上で、本部は本部の方針を示し、新たな事業を行う意義や、管理会計上の主力商品の資源バランスを変えることなどを再度説明するのです。
対月対年管理をしている店舗ビジネスの本部が、突然方向変換の理由を説明して、現場に落とし込もうとしても現場に変化が置きない理由は、店舗に全くの危機意識も危機感も無いことに由来するのです。本部が焦っても、現場が動かなければ経営にインパクトが無いのが店舗ビジネスです。