安藤です。
仕事でのマネジメント・人間関係構築に活用できる心理学を2つ記載いたします。
1つは、「語用論」です。もともと語用論には、言葉とは用いる場面や発する人、受け取る相手によって意味合いが異なっているということを示しています。例えば、「できていないよね」という言葉一つとっても、ピリピリした上司―部下の関係で、上司が部下に向かって「できていないよね」と言えば、「できていない」という意味や能力を否定されているように捉えられるかもしれません。それに対して、親友から「できていない」といわれたとしたら、もっと「できていないところを指摘してくれている」という意味で捉えるかもしれません。同じ言葉でも“文脈” によって意味合いが違います。このような語用論的理解が、文脈の理解において重要視されます。文脈とは、物事を前後の状況(文脈)に合わせて臨機応変に認識することです。前後の文脈や置かれた状況によって、認識する意味が変化することを文脈(コンテキスト)効果と言います。 人間は感覚器官から情報を得ると、それまで蓄積した経験や知識をもとにそれがなんであるかを認識します。一般的な例からすると、文字の場合、線分や輪郭の組み合わせからパターンに当てはめて「何の文字か」を判断しています。別の見方をすると、語用論から少し外れるかもしれませんが、受け取る相手によって意味合いが異なるということは、互いの関係性も関係していると考えます。日頃からどのような関係を築いているのか、信頼関係があるのか、そんな観点からも捉え方が変わるのではないでしょうか。
2つ目は、ダブルバインド理論です。ダブルバインド理論(二十拘束理論)は、グレゴリー・ベイトソン(Bateson.G)らが、パロアルト・グループの研究での概念です。ダブルバインドは、あるメッセージ(言語的)と、それとは矛盾するメタメッセージ(非言語的)を同時に与えられることのよって、混乱する状況に置かれることを言います。
例えば、事務所で部下Aさんを上司が呼ぶ時に笑顔で呼ぶとします。そのAさんが、近づいてくると上司が不快な表情をしていたり、威圧的な態度になったりすることがあると部下Aさんは、自分がどのような態度をしたらよいのかわからなくなります。 ここで最も影響をうけるのが非言語コミュニケーションです。コミュニケーションには、「情報」と「情報に関する情報」の2つのレベルがあります。別の例でお話をすると、「あなたの話をきいているよ」といいながら、パソコンに視線を向けて、それをいじっている状態だったらどう思うでしょうか。「話を聞いている」という言語的情報と、「~ながら」でしか聞いていない」という非言語的情報の2つのレベルのコミュニケーションが同時に行われています。このように、非言語的コミュニケーションによって、人間関係における問題となることは少なくないのではないでしょうか。
*非言語コミュニケーションとは、他者とコミュニケーションを図る上で、表情や顔色、声のトーン、話す速度、身振り手振り、視線などのことです。また、服装や髪型、香りなども非言語コミュニケーションとして影響しているといわれています。
コロナ禍で在宅勤務が増えており、聞きたい事が直ぐに聞けない。そのために、業務が進まずに支障がでているなど、コミュニケーションの問題が多くなっているようです。そのようなことも含めて、コミュニケーションの問題・課題、他
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