営業パーソンがお客様に感謝され、大きな成果を得る質問話法

2021年1月5日 火曜日

高橋です。

私がコンサルティングをしている『営業プロセス研修』のエッセンスを、数回に分けてお伝えしています。

今回は「営業パーソンがお客様に感謝され、大きな成果を得る質問話法」というテーマでお届けします。

これまでも営業の仕事とは『お客様の問題を解決すること』と定義してきました。
その解決すべき問題のことを「ニーズ」と言っています。お客様が「こんなモノがあればいいのに」とか「ここを改善できたらもっと良くなるのに」と思っておられる欲求や不満、不安のことです。

ニーズには「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」の2種類があります。「顕在ニーズ」はお客様ご自身が「こうしたい」とご自分の欲求や不満に気付いておられるニーズです。一方お客様がご自分の問題や欲求に気付いておられない、またはモヤモヤとしてうまく口に出して説明できないニーズのことを「潜在ニーズ」と言います。無意識下にあるので潜在です。

営業パーソンが大きな成果を得るためには、お客様ご自身も気付いておられない「潜在ニーズ」を引き出し顕在化することです。するとお客様が「なるほど!確かにそんなことができればいいよね!」と喜んでくださるのです。その「潜在ニーズ」こそが、真にお客様が解決したい問題であり、その問題の解決策を提案することこそが、営業パーソンとしての価値です。

では、どうやって潜在ニーズを引き出すのか?その方法が今回のテーマである質問話法『SPIN質問話法』です。この話法をマスターすれば、お客様に感謝され、かつ大きな成果を得ることができるでしょう。

SPIN質問話法を作ったのはニール・ラッカムというコンサルタントです。彼は各業界トップ営業パーソンの商談35000件に同席させてもらいその内容を分析しました。その結果、トップ営業パーソンはあるパターンで同じように商談をしていることに気付きました。
その共通点をまとめ体系化したものがSPIN質問話法です。ということで、実は皆さんも普段上手くいった商談では、同じようにSPIN質問話法を使っている可能性が高いというわけです。

良い成果を得たければ、上手くいっている人を真似るのが近道です。SPIN質問話法は営業パーソンが成果を得るために即役立つ話法です。

私は保険の営業をしている時SPIN質問話法を知りませんでしたが、今振り返れば行っていた営業プロセスはSPIN質問話法に則った商談でした。

SPIN質問話法は、S→P→I→Nと 4つのステップでお客様に質問をしていきます。

まずSはSituation Question『状況質問』です。お客様が現在置かれている状況、状態、背景をお尋ねします。営業パーソンがお客様の事を詳しく知ると同時に、お客様ご自身にもご自分の状況を再確認していただくプロセスです。
保険営業では「現在どのような保険に加入されていますか?」「現在、保険加入時からご家族構成など変化はありませんか?」など尋ねます。

次にPはProblem Question『問題質問』です。お客様が抱えておられるであろう問題を、質問によって明らかにしていきます。 お客様自身も気付いておられなかった問題を明らかにすることができれば、潜在ニーズの引き上げ成功ということになります。
営業パーソン「万が一があった時に支払われる保険金額をご存じですか?」「その保険金額は○○さんに合っていますか?」
お客様「確かに何か保険に入っていればいいと考えていたので、合っているかどうかなんて、検証したことはなかったですね」

次にIはImplication Question『示唆質問』です。その問題をこのまま放置しておけば、どんな重大なことになるのかお客様に認識していただくための質問です。お客様ご自身が何とか問題を解決したい、解決しなければ大変だと思われます。
営業パーソン「○○さんに合っていない保険金額で、もし万が一があると残されたご家族はどうなってしまうでしょうか?」
お客様「お金が足りないことになるかもしれませんね、困るでしょうね」

最後にNはNeed Pay-off Question『解決質問』です。営業パーソンが「もしこんなものがあればいかがですか?」と問いかけます。その解決策に対し、お客様が「そんなのがあればいいな」と思っていただければ、お客様と合意できたことになります。
営業パーソン「もし今と同じぐらいの保険料で○○さんにピッタリの保障を持つことができれば、いかがですか?」
お客様「そりゃ家族も安心だけど、そんなことできるんですか」
営業パーソン「はい、では詳しい保険プランを設計するので次回ご覧ください」
お客様「楽しみにしています」

この一連の流れが、SPIN質問話法です。
ここまでくれば、後は詳しいプレゼンテーションと見積提出だけです。このプロセスですと営業パーソンが無理に契約を迫らなくても、もちろんお願いセールスなんてしなくても、お客様が喜んでご契約いただける確率が高まるのではないでしょうか。

営業プロセス、営業研修、経営戦略などにご興味ご関心のある経営者・経営幹部・リーダー・士業の方はお気軽に弊社にご相談ください。



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