ナイキ

2007年11月6日 火曜日

早嶋です。

これから福岡の郊外、宇美町商工会でマーケティングのセミナーです。冒頭に誰でも知っているナイキの話をしようと思います。

ナイキは、いわずと知れたスポーツウェアで世界最大のメーカーです。ルーツはオレゴン大学の中距離ランナーだったフィル・ナイトと、彼のコーチ、ビル・バウワーマンが資本を出し合って創設したブルー・リボン・スポーツという企業です。

はじめはオニツカ・タイガーのランニング・シューズの販売からはじめ、その後、デザイン・生産・直営店の経営をするようになります。ナイキの社名は、72年にギリシャ神話の勝利の女神、NIKE(ニケ)にちなんで付けられたのは有名ですね。

さて、今ではマーケティングの会社として名高いナイキですが、マーケティングにフォーカスし転換した時期があります。単なるランニングシューズメーカーだった時代、社員のほぼ全員が陸上競技の経験者で社員をリクルートする場も陸上競技場でした。バスケットやサッカーのシューズを作るときも同様にしています。各分野のトップ選手を知り尽くすことがナイキの技術とデザインを向上させたのです。

その証拠に、ナイキの社員は当時、暇さえあれば選手たちと会い時間をかけて話しをしています。しかし、ある時期に変化がやってきました。大々的なキャンペーンを打っても売上がさっぱり伸びなくなるのです。

この次期からナイキはマーケティングにフォーカスします。つまり、いつの間にかナイキの顧客はスポーツ用品を購入する目的で買っている顧客ではなくなっていたのです。にもかかわらず、ナイキはトップアスリートの事ばかりを考えていた・・・。これが売上が伸びない理由だったのです。

ナイキの顧客には次のようなピラミッドが存在していました。トップアスリートが頂点にあり、次にスポーツ愛好家、そして底辺には日常的にナイキの靴を履いてくれる一般の消費者。

ピラミッドの頂点にアプローチする事も必要でしたが、もっと底辺の一般消費者に目を向ける必要性にナイキはきずいたのです。現在のナイキの考え方は、トップアスリートであろうが一般消費者であろうが、全く同じ原則に返って考える。つまり、ユーザーが何を求め、何を欲しがっているのかを見つけ出さなければならない。そしてそのニーズを理解する手段を持たなくてはならない。

マーケティング思想の転換を迎えたナイキの成長は皆さんが知るとおりです。実際に行動に移したフィル・ナイト氏。実に素晴らしいマーケターだと思います。



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