キレーティナ

2007年10月11日 木曜日

早嶋です。

本日は、午前中からビズ・ナビ&カンパニーのマーケティング・シナリオの見直しを行いました。コンパクトな組織なので、日頃より話合っていますが、ドキュメントに落とすことによって、戦略の強弱が明確になりました。

さて、コンビニで「キレーティナ」なる商品を手に取り購入しました。これは、常盤薬品が10月より販売開始したレモン味のタブレット(口中清涼食品)です。購入した理由は2つ、1)ターゲットを禁煙者に絞っていること、2)価格が315円とフリスクより高い、です。

キレーティナは、『1本のマナー。爽快エチケット習慣』をコンセプトに喫煙者に訴求した商品です。常盤薬品のプレスリリースによると、エチケット市場は90年代後半より増加傾向にあり、07年で340億円と予測されています。

仮説ですが、近年の女性の社会進出によって、男性社員は社内でも身だしなみを気にする必要性が出てきたのではないでしょうか。そのため、エチケット市場が成長している。先日、クライアント企業の依頼で歯科に関するアンケート調査&分析を行いました。その中で、「気になる歯科グッツは何ですか?」という項に対して、男性は「口臭ケア」、女性は「ホワイトニング材」に関心が高いことが、信頼水準95%で歯科グッツに違いがある事が分かりました(n=1520)。

同じエチケットに対しても、男性はパーソナルスペースを気にする傾向があり、臭覚を意識している。女性は、見た目の美しさを気にする傾向があり、視覚を意識している、と言う傾向を垣間見ることが出来ました。

このような背景から、近年のエチケット市場は増加傾向にあるのでしょうか。他のメーカーの商品を見ていても、女性だけでなく男性を意識した商品も多数目に留まります。

キレーティナに注目したのは、そんな中、喫煙者マナーに特化した初めての商品だったからです。国内には、今でも3,600万人の喫煙者がいるといわれ、その9割が喫煙後の口の中の気持ち悪さを意識していたのです。常盤薬品は、この問題を解決するソリューションとして、喫煙者用の口中清涼食品として提供したのです。

気になった点の2点目。価格です。フリスクが200円、ミンティアが100円。ミンティアは後発商品でしたが、若者をターゲットにしたタブレットの導入商品としたポジショニングで見事フリスクの座を奪っています。ターゲットをデモグラフィックで絞っていたら、200円以上のタブレットは、高級感を演出するなどの差別化戦略が必要になるでしょう。実際、この層を狙ったタブレットは、ブラピなどが愛用しているとプロモーションを行ったHINTMINTがあります。

そこに、キレーティナの300円。この価格に決定したのは、タバコの平均小売価格が300円前後であることなのでしょうか、はたまた、喫煙者は喫煙後の口の気持ち悪さに相当な悩みを持っていて、300円で解消したら御の字、と分析したのでしょうか。

常盤薬品のプライシングが的を射ていれば、セグメンテーション(タブレットの市場をセグメント分けする)⇒ターゲッティング(喫煙者に絞る)⇒ポジショニング(シーンでの差別化)を行ったマーケターの勝利ですね。



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