ハイテクとローテク

2019年6月27日 木曜日

早嶋です。

中国本土への容疑者引き渡しを可能とする逃亡犯条例を巡る一連の香港のデモは、今のデジタル社会の象徴的な行動を観察できます。香港のデモに参加する若者たちは当局の監視を避けるためにSNSなどは匿名で行い、地下鉄やトラムの移動は履歴を追えないように現金で支払うなど、デジタルに痕跡を残さない工夫をしています。

匿名のSNSにはテレグラムという通信内容を暗号化して送るツールが使われています。2017年末のイラン反政府デモで使用され注目されたツールです。香港でのデモも複数の学生団体がテレグラム上で情報交換を行っていたそうです。デモに参加されていた学生がマスクをしている姿が多くメデイアに露出していましたが、あれは監視カメラで個人情報を特定されない工夫のようです。

スマフォのGPS情報はオフにして、デモに関するメッセージなどを行った場合は直ぐに履歴を消去しているそうです。交通機関も普段は現地のスイカに相当するオクトパスを使っていますが、デモ参加の日は、乗降記録や駅や時間などをネット上に残さないように現金で購入していたそうです。そのため、通常行列ができない券売機の前には行列ができたそうです。

最近の映画にも最強のハイテクを駆使した敵を倒すヒーローは、実はハイテクが使えない昔のスパイ。徹底的なアナログはデジタル上に何ら痕跡が残らないので太刀打ちできない。そんなストーリーをいくつか見た記憶があります。しかし、中国本土では日常生活が確かにデジタル化されているので、なにかあれば直ぐに足跡をもとに党員が駆けつけるというのも理解できます。

デモの景色は変わらずとも、デジタルの進歩をまざまざと感じさせるニュースでした。

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