早嶋です。
人材育成する際、該当者(Aさん)は育成する人(Bさん)から比較して視点が狭く、どこか他人事のようで取り組みにコミットしないと感じる方が多いです。例えばAさんを指導するBさんがいます。Bさんはクリニックの院長で、Aさんは、将来開業を目指すサラリーマンドクター。Bさんのクリニックに勤めています。
Aさんは、Bさんと違い周りが見えていません。同じ患者さんに対しての処置もBさんよりも長く時間をかけています。Bさんの処置を受けた患者さんは、なんだか時間がながかった。治療が辛かったと感じる方が多いです。その患者さんからのアンケート結果はAさんも共有しています。
Bさんからすると、Aさんは平行的に処置ができていないし、時間がかかっている。患者さんのゴールを考えた場合、その処置を80%程度で行い、100%を目指さなくても医療的にも問題無いといいます。しかしAさんは常に一生懸命の医療サービスを提供します。AさんとBさんに良くある温度差があるのです。
経営的に見ると、Aさんのペースで行うと、Bさんが考えている採算が取れません。将来Aさんが独立して開業した場合、現在の立地条件のように集客できるわけではないので、更に苦しくなるということをAさんに伝えています。が、Aさんは中々理解していません。分かっているのに、行動が変わらないようにみえます。
このような状況、上司と部下、親と子という役割の上下関係があるなかでの指導において、ある程度似たような構図が在るのではないでしょうか。では、なぜできないのだろうと考えた場合。一つのアプローチに環境があると思います。つまり、Aさんがいる環境下ではBさんの言われる通りに行わなくても、実際は大きいな問題が置きない。現に、今は患者さんのコメントは何人かはありますが、それによって劇的にNGというわけではありません。従って、Aさんとしては、行動や考えを変えなくても問題ない。とどこかで思ってしまうのです。
もし、Bさんがその医院を離れていき、Aさんのみで行えば、行動は変わるでしょう。あるいは、行動を変えないで経営の状況が悪くなり、はじめてBさんが過去に言っていたことを思い出すでしょう。当然、そのよな事態になった瞬間に多くの方はリカバリをすることができません。
多くの人は、今のやり方で問題が置きていない時に、将来のイメージをもって今の行動を変えることができないのです。また、上下の関係、特にAさんとBさんのように経営者と雇われという関係では圧倒的にリスクのとり方がことなります。本来、上記の関係であればAさんはBさんに指導料、コンサル料を払うべきです。極端ですが、Aさんは将来独立をしたくて、そのノウハウを得るためにBさんのクリニックで仕事をしているわけですから。もし、このような前提であればAさんは確実にBさんからの指導を身に着けていくことでしょう。
結局は、最終的にその本人が自分ごととして捉えることができるか?が鍵であり、上記の関係、つまり雇用関係においてはかなりそれを理解させるのは難しいのではないか?と思うことがあります。従って、過度に独りの役割で仕事が解決される状況をつくるのではなく、ある程度仕組みの中で、何人かが集まることで仕事が進むようにすることが大きな組織のポイントになるのではないかと思います。