早嶋です。
多くの企業は成長戦略を掲げます。国内の経済がピークを迎えると成長の矛先は、国内の同業種、国内の異業種、そして海外となります。
国内の同業種の場合はシェアの取り合いになるので劇的にシェアを獲得するにはM&Aが考えられます。ただ、成熟した事業でシェアがある程度高ければ、その事業は互いに稼ぎ頭になっているでしょうから交渉は難航するでしょう。
国内の異業種の場合は、新規事業に相当しますね。企業の多くは、既存事業で成績優秀な社員に新規事業と既存事業の両方を命じます。はじめは新規事業を色々と試すも成果がでません。既存事業を管理している上司は、新規事業にも事業計画を書き、そのとおりに達成できることをさも当たり前のように考えます。しかし、実際はなんとも言えないのが現状です。
更に当然既存の事業は常に顧客対応に追われるため、徐々に新規事業に対しての行動が成約され、既存の事業に時間を使ってしまいます。こうなるとなおさら新規事業の取り組みが弱くなるので成功しない、そんなスパイラルに陥ります。そこで、やはり新規事業もM&Aだとなりついつい手を出してしまうのです。海外での市場開拓も同様、資源をさくもなかなか成果を上げることができません。
近年、大企業はある程度のキャッシュを持っており、利益も出せる体質になっています。上記のような理由で結構大型のM&Aを行う企業を観察することができます。成長戦略を描いた社長は、そのような大型の案件をマネジメントすることができないので、外からプロ経営者を連れてきて、自分は会長になり全体の監査に徹っする。そのような会社も良くみかけます。
そして、その経営者がある程度馴染んで来た頃、M&Aを実行した当時の社長は会社から緩やかに距離を置き始めます。すると外から来たプロ経営者が急に頭角を表し、やや乱暴な経営を始め、気がついたらボードメンバもその経営者が固めて完全に当時と違った舵取りをしている。なんて会社もよく見ますね。
成長し続けることも大切ですが、あまりにも無謀なM&Aは、逆に会社の勝ちを低減させることもありますね。