早嶋です。
海外M&Aの成功率が37%。今朝の日経新聞にこのような見出しがありました。デロイトトーマツコンサルティングが実施した調査で、海外M&Aを実施した日本企業のうち成功と回答した企業の割合が1/3だったという記事です。
日本経済は成熟。その中で成長戦略を目指すためには、異業種に参入するか、地理的エリアを拡充するかの選択肢になります。時間とノウハウを取得する手法として、必然的に大企業はM&Aが一つの選択肢として選ばれるのです。
同調査のサンプル数は、昨年10月から12月に実施した経団連加盟企業を中心とした145社。買収目的の8割以上を達成した場合を成功と定義しています。調査では成功は37%、失敗が21%です。どちらとも言えないが実に42%。
このような記事の場合、M&Aの重きを買収後の活動、つまりPMIにおいている場合が多いです。失敗の原因を買収後の統合作業としているのです。成功と答えた企業と失敗と答えた企業に対して、買収前調査時期にPMIを検討している企業は成功の確率が高く、一方で考えていない企業はその確率が低くなっています。
M&Aは戦略は目的ではなく手段です。自社の事業領域を保管する目的か、地理的なエリアの拡充か、異業種や新規事業への参入か。戦略を練る際にいくつかの大きな方針を明確にして、それを実現するための手段としてM&Aがでてきます。したがって、はじめから目的がない企業はどんなに良いM&Aを行ったとしても、成功と失敗の判断基軸が難しい。
調査にあったどちらとも言えないという企業が4割もあることからM&A以前の企業戦略の欠如がM&Aそのものの失敗要因ではないかと感じました。
早嶋はJMAA日本M&A協会の理事をしています。企業でM&Aに携わるけれども、知識や経験が乏しい方は、ぜひ、こちらの講座をご検討ください。毎月都内で2日間の実践的な講座を実施しています。
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