自虐的な行動

2017年11月1日 水曜日

早嶋です。

人口全体の1%が生まれ、死んでゆく。人口全体の2%程度が毎年流出、流入を繰り返す。そのうちの1割は15歳から24歳の年齢で、進学や就職のために地域を離れて旅立つ。

例えば、人口が10万人の地域だと、毎年1000人産まれて、1000人が亡くなっていく。そして、約2000人弱が転入し、約2000人強が転出する。転出する1割の約200人程度は地元の学校を離れ進学するか、地元の学校を離れ就職するかで15歳から24歳の弱年齢層だ。

出生率が下がるにつれて、産まれる人口よりも亡くなる人口が増え、流入する人口よりも流出する人口が増えていく。典型的な地方の人口減少だ。

しかし、一方で上記のような地方自治体は、子育て支援だということで徹底した教育環境を構築することに一生懸命だ。しかしどこも教育のゴールは良い大学、良い企業と30年前から変わらない。

結果、生産年齢人口の提供のために税金を使い、自ら生産年齢人口を流出する手助けをしていることに気が付かない。良い偏差値信仰がなくならない限り、18年後から22年後頃には必ずそのような育てた子どもたちは地方を離れることになる。良い大学も良い企業もその土地には無いからだ。

人口を維持、もしくは増やし、自治の生活を長期的に続けるのであれば、その自治で独立した経済圏の創出が重要だ。それなら企業誘致を行っていると聞こえてくるが、山を崩して土地を開放し、電気代や水道代、税金を免除しても無駄だ。そのような取り組みをしている自治体が周囲に無数にあり閑古鳥だ。

自治の単位は1年の単年度ではない。20年50年の長い時間スパンでそのエリアをどうするかを考えることが重要だ。すると自ずと教育の方針もかわるだろう。地方こそ、全ての子供たちが地域に残って自ら経済活動を創出する志向に導くことが重要だと思う。

しかし、いま力を入れている担当者が再考の教育を自分がかつて叶わなかったいい大学、いい会社に重きをおいていたら、流出の流れは誰も止められない。



コメントをどうぞ

CAPTCHA