早嶋です。
ウーバーのドタバタ劇に対して一区切りがついた。空席となっていたCEO(最高経営責任者)にエクスペディアのCEOのダラ・コスロシャヒ氏に決定した。当初は、GEのジェフ・イメルト氏が有望だったようだがこの週末で一気にカタがついたようだ。同氏は、2005年よりエクスペディアを率いておりグローバル展開をすすめた立役者だ。また報酬も約100億円とされ世界的に知名度のある経営者の1人だ。今後、どのように舵取りをするのか注目だ。
そんなウーバーはいくつも問題を抱えている。創業者のトラビス・カラニックはCEO辞任後も取締役として残り、依然として株式の16%、つまり議決権の16%を有している。80カ国以上進出し、12,000人以上を雇用するウーバーの取扱高は2016年で約2兆円。企業価値は7兆円を超え非上場企業としては世界最大だ。一方、各地域で当局と衝突を繰り返していて、グーグルからは自動運転の知的財産を巡って訴えられている。それだけ社会に大きなインパクトを与えている企業だ。実際、ウーバーのようなビジネスモデルを他の業界に転用したビジネスが次々に生まれている。
一方で、事業は未だに赤字。更に、CFO(最高財務責任者)も空席のまま。株式基盤の安定のために新たに資金調達を狙っているようだが、それだけでは解決されない課題が山積みだ。トラビス氏の経営スタイルを見直し、人事制度を整え、黒字転換を目指す。更にこじれている各国の政府との関係構築や関係改善も急務だ。更に、ウーバーはテクノロジーを駆使して、ウーバーのドライバーそのものを自動化する企てもあることから、今後は運転手とも関係が悪化する可能性があるなど中々一筋縄ではいかない。