早嶋です。
VALU(バリュ)が運営するサービス「バリュ」が国会でも議論されています。扱う対象は個人の将来性です。個人のFBやツイッター、その他のSNSの影響力をVALUのアルゴリズムによって売り出し価格が決まります。興味がある人は、その個人の将来性を見込んでビットコインで購入するという仕組みです。個人がVALUを発行し売買をしながら将来の価値があがると思われたらVALUの値段が上がり、売価によって益を得ることも可能です。
Webの世界でバズが起きた背景に、実際の相場がサービス直後に跳ねたことがあります。サービス開始数日後に、発行したVALUで1,000万円相当のビットコインを得たという個人が登場して、SNS上で議論されました。これを受けて6月上旬の国会財政金融委員会の質疑で法制度に先行するカタチで個人による資金調達が可能になったという実例で取り上げられていました。
VALUは実際の株式と違ってVALUの発行者に対して何の責任も義務もありません。当然価値があがるVALUもあれば暴落するVALUもあります。開発者は、あくまで個人を応援する仕組みとしてローンチしているという見解を示していますが、これに乗っかっているユーザーは投機的な動きで盛り上がっているのです。
報道によれば6月時点での公式ユーザーは2万人程度。個人をVALUに上場するために仕組みの承認を待つユーザーは数千人に上ります。運営会社の対応力が追いついていない状況です。開発した会社のエンジニアのパワー不足で対応が後手に回っているようです。ただ、これに関しては可能性を感じた投資家が何らかのファイナンスをして人材を集めて吸収することは出来ると思います。
問題は、VALUの投機性です。この線引、つまり良いのか?悪いのかの判断が付きかねないことにあります。実際、現在の金商法に反するか?と言えばかなりグレー、或いは仮想通貨にすら相当しないという解釈が強いそうです。となると法的に管理することも出来ません。仕組みとしては非常に単純なので、追従する企業もすぐに出てくることでしょう。
VALUは閉じた会員間での売買になるため、4月に施行された仮想通貨法の対象からも外れます。不特定に流通する仮想通貨との解釈が成り立たないからです。従って、全ての売買の仕組みは自己責任ということになるのです。ITが発展して、仮想通貨の概念やクラウドファンディングに近い形で個人間同士での資金調達が柔軟になれば、法の体制や新たなビジネスモデルの妥当性の検証が後手で出てくるであろう予測を今回のVALUは露呈していると思います。今後も注目に値するサービスですね。