尖った人材調達は新人一括採用では無理

2017年6月5日 月曜日

早嶋です。

日本企業はグローバル人材、尖った人材、リーダの育成と唱え流れも、基本的な採用は昭和30年頃から続く新卒一括採用です。しかも、その採用戦略は本社の戦略に殆ど関係なく、毎年人事が中心となり採用を進めています。真に企業を変えたいのであれば採用、育成、評価、雇用形態、組織体制にゼロベースでメスを入れる必要があると思います。

例えば、採用はこれまで新卒を一括採用して本社で大切に育てる形式が基本でした。日本らしい良いやり方であることは否めない一方で、基本的に尖った人材はいないのではという疑問がわきます。従って、今後は中途採用社を中心とした採用や、尖った人材を欲するのであれば一本売で現場の担当者が異端者を採用できる権限を与える等の変化球が必要です。

また、ITの販促や導入に対しては、50代、60代の脳みそで考えるのではなく、今の若い層、10代や若手世代に方針だけを伝え、詳細は任せていくスタイルを取ることが大切です。更にこの分野に対しては、年齢の上下ではなく、デジタルにどれだけ触れてきたかを指標にしてデジタルネイティブが先輩社員をリードできるような教育方針も必要です。

また、新入社員教育で社内一括のコピペ研修を行うことから、人材ごとに必要なカリキュラムを組み直して、アラカルトの研修を行うように変更したほうが良いと思います。仮に社内統一で研修をするのであれば、概念化能力の強化を基本とした研修、特に問題解決の考え方やアプローチは徹底的に時間をかけていくべきです。多くの企業は詰め込みで問題解決も入れていますが、全体のカリキュラムの数%に過ぎません。

雇用形態ももっと柔軟に捉えて良いと思います。基本は正社員ですが、プロジェクト単位や仕事の単位ごとにクラウドソーシングをもっと活用して、多くの知恵を仕事に入れることを発想すべきです。基本的に内部の人間だけで数年以上取り組んでいる仕事は、無駄の塊だと思っていいくらいです。外部の人間を適宜活用することで、自分の強みと圧倒的に努力不足の仕事が瞬時にわかります。外からの当たり前の目で、不要を削除するだけでぐっと生産性は向上します。

最後に新規事業の進め方です。多くの企業は既存ビジネスで成績を上げたチームを新規チームに抜擢しています。が、これはその時点でアウトです。既存のように計画通りいかないのが新規ビジネスです。実行して失敗して、そこから学ぶというマインドが必要です。既存ビジネスの成功者は計画通り、いきなり大きく成功をできると未だに信じていますが、それは神話です。基本的な人事は、現在の本社の制度と全く切り離して、できれば新会社で行うくらいの大胆さが必要です。完全にルールも分けられるし、失敗も成功も明確になります。自社に有望な人間がいなければその新会社に新しい人材をひぱってきてある程度の権限を与えることも大切です。

仮に、ビジネスに投資をする場合は、いきなり投資をしないで上記のような新組織で実際に自分たちで小さく経験を積み、勘所を磨いたほうが良いです。その上で資本を入れることで、マネジメントの管理が容易になります。いきなり出資をして相手に丸投げだと、結局管理ができなくなり、その投資額全体をどぶに捨てることになります。



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