アブソルートのジョーク

2007年4月10日 火曜日

早嶋です。

先日、紹介したEating the big fishの中で紹介した⑤Sacrifice(要素を絞って、思い切って一点に集中しよう!)についてコメントします。

Eating the big fish は、業界のリーダーの地位を狙うチャレンジャーの戦略に関してまとめたものです。チャレンジャーブランドにとって最大の敵は、ユーザの拒否ではなく、無関心に有ります。この無関心を乗り越えるために、時としてチャレンジャーは明確なアイデンティティを持ち、ユーザーとの関係を強烈なまでに構築する必要があります。

しかし、これを打ち出すのはそう簡単では有りません。なぜならば、企業には、経営資源というものが有るからです。何かを行うために、何かを犠牲にするというトレードオフが生じるのです。本著で紹介していた中にもあるように、他を犠牲にして一点に絞りこむという決断はチャレンジャーという立場だからこそ必要です。一方、チャレンジャー企業はこのアドバンテージを活かす反面、企業自身が犠牲の必要性を理解することが求められます。

これは、マイケル・ポーター氏の競争の戦略の中の集中化戦略に通じる部分があります。企業が決断を行う場合に、絞りこみ戦略に対して、何も自らポテンシャルを狭めることは無いということで敬遠する場合も有りますが、実際は絞り込むことによって、対象の市場に対して強いロイヤリティを生むことが多々あります。

その例として良くでてくる企業にアブソルート・ウォッカがあります。ウォッカはもともの、コモディテイの要素が強かったのでブランディングが難しいとされていました。しかし、アブソルート・ウォッカは、一点集中によって『洗練』という一点のメッセージに絞った広告シリーズを打つことによって、今ではコレクターズ・アイテムになるほど人気を博しました。

このアブソルート・ウォッカですが、一度だけ、ブランディングを行う過程で、厳選された材料、ブランドの歴史、独特の製法に至るまで、永遠とアブソルート・ウォッカのすばらしさを訴求した広告を載せたことがあります。これまでの広告は、一切、商品、つまりウォッカの中身に触れたことは無かったので、アブソルート・ウォッカの広告としては異常な広告になったのです。

アブソルート・ウォッカは何故、このような広告を打ったのか?それは、その日が4月1日、つまりエイプリル・フールだったのです

通常は、上記のような広告が普通なのですが、アブソルート・ウォッカでは異常な広告であり、非常にウィットにとんだジョークになっていました。

—ブログマーケティング、実験中!—

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