早嶋です。
最近、異文化コミュニケーションに関する本、International Organizational Behavior: Text, Cases, and Exercisesを読みました。
この本のCommunicationという章に、The Communication Process(会話のプロセス)という項があります。ここでは、コミュニケーションや、情報の流れがどのようなプロセスを追っているかを説明しています。
そのプロセスは、次のようになります。思考⇒記号化⇒送信⇒受信⇒解読⇒理解。例えば、AとBが会話をしているとします。Aは、自分の考えをBに伝えるために、上記の流れをたどります。
思考:伝えたい内容をAは頭の中で考えます。
記号化:頭で考えた内容をBに伝えるために、記号に返還するプロセスです。言葉であれば、言葉、文字であれば文字に変換します。
送信:記号化されたモノをBに伝えるために送信します。言葉であれば声がその役割を果たします。
ここからは、Bのプロセスに移ります。
受信:Aから送られた記号をBは受け取ります。会話の場合は聞くことになります。また文字の場合は、手紙を受け取り読むことになるでしょう。
解読:言葉の意味や、文字の意味を解読します。BはAが伝えたい内容を考えるでしょう。
理解:最後に、BはAが伝えたい内容を自分の知識・興味・教育・経験・役割など総合的に考えて理解するでしょう。
このように、普段、何気なく会話していても、上記のようなプロセスをとっていると考えてみれば納得すると思います。そして、コミュニケーションが上手くいかない場合は、AがBに伝えるための「記号化」のプロセスと、Bが「受信」し、「解読」するプロセスでノイズが働いていると考えることが出来ます。
早速、ロジカル・コミュニケーションというセミナーの中で、受講者に対して次のようなシーンを考えてみました。
「あなたは、大切な人(既婚者であれば、互いの相手など)から、『最近、また太ったね。』と言われました。さて、あなたはどのような感想を示しますか?」
これに対する答えは様々でした。(実際の回答です。)
・日頃、見てくれていないと思っていたから嬉しい。
・うるさい、余計なお世話だ!
・そうか、健康に気をつけないとなぁ・・・。
・自分は骨が細いと思っているので、いいことだ。
と。まさに、解読のプロセスで人は、その相手の関係や、自分の中の背景や知識、経験と言ったものを総合的に判断して、理解しているのです。
このように考えると、日頃、全く関係ないようなことを知ることや、興味を持つ事、そして体験することは、コミュニケーションの理解のフェーズにおいて、より、相手が記号化した内容を正確に把握するための糧となることがいえますね。
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