早嶋です。
日本の消費者は、ガラパゴスケータイのように独自の変化を見せています。特に90年代半ばを潮流に大きな変化が出ています。可処分所得、消費支出、家庭の黒字が1995年をピークに減少しています。他の先進国の所得バランスはM字型で金持ちはより金持ちになっていますが日本は、平均して全ての層でここ10年程度で所得が100万円落ちています。それにもかかわらず国民は暴動を起こすどころかアメノミクスと沸いています。この理由はデフレにあります。生活費その他もここ10年で低下していたからです。大前さんいわく、文句を言わない人を育てた教育も背景にあり、暴動が起きていないと。
では国内のマーケットではダレをターゲットにすると良いのか?結論は高齢者です。2000年ころより一貫して消費に占める高齢者の割合が高まっています。60歳以上の比率は実に全体の46%この勢いで行くと時期に50%を超えると考えれます。実態としてわかないと思いまうが、ファクトを分析すると見えてきます。
この層はこれまでの傾向として、いざと言う時のために貯蓄をしていました。それが実際にいざというときのことを真面目に整理してみると、思ったよりお金がかからないことを知ります。それで、必要以上にためていたお金を使うことができることに気が付きます。そのお金をいかに使って頂くか?がポイントになるのです。JR九州の客層を見ていると、超金持ちというよりは、上記のように実はお金が使えた!という層が多く、この消費が60歳以上を盛り上げているのです。
この層が抱えている不満には、ざっと以下のようなものがあります。
近所に店が無い。
重たいモノを運ぶのが大変。
一人で買い物に行くのが困難。
品揃えが少ない。
配達してくれない。等々です。
これらの不満が実はネットでの購入を下支えしています。えっ、高齢者がネット通販?と思うかもしれません。
しかし2013年10月23日の日経新聞の記事によれば、最近1年間でネット経由で使った金額は20代で12から13万。対して60歳以上は23万円です。しかもその内訳で食料品を購入したことのある比率は60歳以上でも53%もあります。明らかに高齢者のネット需要を無視することは危険であることがわかります。
高齢者が消費したいものを整理すると、1)日常的なモノ(不便を解消するサービス)、2)いざという時のための想いでに残る商品サービス、3)孫です。
また、この層は自分たちのことをシニアとか高齢者とか読んでほしいと思っていません。では何か、いまさらながら大人と読んでもらいたいのです。従って、シニアという表現や高齢者という表現を大人という表現にすることによって、急に注目する高齢者が増えているのです。
大人の科学マガジン。
大人の休日倶楽部。
ヤマハ大人の音楽レッスン。
大人の超合金シリーズ。
大人のキリンレモン。等々です。
ということで「大人」の研究を真面目にすることは消費者向けのビジネスに取っていよいよ本格的になってきました。