いろはすと南アルプスの天然水。
あなたはどちらを買いますか?「いろはす」とこたえるひと、「南アルプスの天然水」とこたえるひと、「どちらでも良い」と考えるひと、様々です。
「いろはす」と答えたひとに、なぜですか?と聞いたら、「エコなイメージがあるから」とこたえるかもしれません。いろはすは、パッケージやデザインからも分かるように徹底的に環境やエコを訴求した水です。発売3年間で20億本の販売を誇る商品で、そのようなポジションに惹かれて購入するのでしょう。
一方、「南アルプスの天然水」と答えたかは、「いろはすよりももっと前から販売していたから」と考えるかもしれません。純粋に市場に先行して参入することで価値を構築することもできるのです。
企業が商品を販売していく場合、大きく2つの方向性が考えられます。1)何らかの価値をつけて販売する方法、2)1)の価値で安さにフォーカスして販売する方法、です。
例えば、何らかの価値があれば、値段が一緒であったとしても、選択される可能性が高まります。値段が仮に高くても、価値を感じるヒトにとっては選択に値するのです。もし選択するヒトが、同じ価値を比較している消費に感じている場合は、その他の指標である価格を優先するでしょう。この場合、安く販売しても利益をとることができれば、その企業は継続してビジネスを続けることが可能です。従って、安く提供できるという違いで商品を販売することも考えられます。
更に、上記を考えていけば、そもそも選択できない状況にする。という考え方もあります。これは3つ目の販売の方法です。地域に他に焦点がなく、そこには南アルプスの天然水しか販売していない場合、水を買う人は必ず南アルプスの天然水を買うことになります。しかし、仮にこの戦略を継続していて、その商店が急激に売上を伸ばしたら、きっといろはすチームは黙っていないでしょう。市場に参入することになります。従って、3つ目の選択肢は、自分たちが儲かっても、それ以上の成長を遂げると参入がますので、ストイックに規模を維持する必要があるのです。