中国と日本の関係悪化

2012年12月3日 月曜日

早嶋です。

日中の関係悪化から、日本企業の対中投資(10月)は前年比32.4%の減少になっています。注目すべきは、この報道が中国側からなされていることです。

このデータの各国・地域別の対中投資動向を見ると、香港、台湾、日本、シンガポールで上位を占めています。割合は香港が60%で日本の割合は4%。

日本の構成比を鑑みれば、中国は日本が投資を控えたことによるダメージは大きくはないと踏んでいるのでしょうか?その場合、日本が投資を控えたことによる経済的なダメージよりも経済大国の日本が中国を敬遠し始めたという第三国が受け取るイメージの悪化を懸念していることになります。これは、他の第三国が同様に引きづられて対中投資を減少させる引き金になりかねません。

参考:各国・地域ごとの対中投資動向(2009・2010) P61
http://www.jbic.go.jp/ja/investment/report/2012-002/jbic_RIJ_2012002.pdf

一方、もう少し深掘りして考えることもできます。対中投資の60%が香港という点です。この数字の裏は、全てが香港企業でけと考えると早合点したことになる可能性があります。

香港企業から中国大陸への投資あh主に不動産関連を中心としてここ数年増加していると考えることができます。ここには香港経由で投資する外資企業(もちろん一部日本も含む)も含まれていて、香港企業100%ではないと考えたほうが妥当です。このことは同様に、台湾からの投資等にも外資企業の投資が含まれていると考えることができます。

外資が香港経由で投資する理由に、為替決済の問題や税制等様々なものが考えられます。加えて、中国に直接投資すると共産主義の国家であるため、撤退する際には労働争議が発生する、少数株主含めた全員一致、補償金など撤退条件が厳しく、難儀する事が多いなども考えられます。従って、香港企業に投資し、その香港企業が大陸に投資する、
あるいは香港で合弁企業を作るといった形態で大陸に投資するケースがあるのではないでしょうか。

従って、先に示した対中投資額の日本の占める割合は4%よりも遥かに大きくなる。と見ることもできます。するとやはり中国からするとそのインパクトは大きい。いずれにせよ、中国も今の状況を良く思っていないという視点が垣間見れる内容ですね。



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