迷信と儀式

2012年7月2日 月曜日

早嶋です。

コロナビールを外で注文すると、多くの場合、ライムがボトルにつめられた状態で運ばれて来ます。このライムを絞りボトルの中に入れて飲む。コロナビールに良くある儀式です。

この習慣は1981に生まれました。とあるバーテンダーがライムを瓶に詰め込んで提供すると、他の客がそれを真似をするだろうか?と仲間内で賭け事をしたことがきっかけです。夜な夜な、バーテンダーの気まぐれで始まったこの習慣、しっかり日本でも定着していますね。

今度はギネスビール。アイリッシュパブに行って注文すると、ギネスを注ぐバーテンダーの動作が興味ふかいです。まずは7分目までビールをついで、泡が落ち着くまで待つ。ある程度時間が経過したら残りを注ぐ。実に2分か3分の時間がかかっています。これを気にかける人は特にいません。

ギネスを飲む習慣にゆっくり注ぐというスタイルを味わうことがセットになっているのです。しかし、こちらの習慣は偶然に生まれたものではありません。90年代、イギリス諸島のパブではギネスの売上が低迷しました。客達がギネスが出てくるのに十分な時間を待てなかったからです。

会社は考えました。このイライラしているマイナスの部分をプラスに変えることができないか?と。そこで生まれたキャッチ「1パインとを完璧に注ぐのに、119.53秒を要する」。これを大々的に広告キャンペーンを行ったのです。これは直ぐに儀式となり定着したのです。

ちょっとした儀式。これはブランドを高めるために、商品と感情の絆を深める重要なエッセンスなのです。



コメント / トラックバック3件

  1. 椿事 より:

    119.53秒ですか? 半端ですね。この半端さ加減が、いいんでしょうね。「サオダケ屋はなぜ潰れないか」でしたか。数字のマジックが載っていました。待ち合わせ時間を、17時57分にする。すると、不思議と遅刻が少ないそうです。なぜ57分? なにか理由があるの? と思い、早く来るのだそうです。18時ちょうどに集合とすると、ま、ちょっとくらいいいか、と遅刻者が増える。
    スーパーの198円とか、1980円とかの値付けも同じですね。
    昔、大学進学情報誌の編集の仕事をしていて、受験生に取ったアンケートを元に記事を作る。例えば、こんな具合です。何が気に入ってその大学を選んだか? 1位、設備45.67%、2位、先生45.88%、3位、カリキュラム44.67%……。僅差です。順位に実質的な意味はありません。でも、ランキングになると、読者の食いつきがいい。歌のベストテンと同じ。編集上のテクニックです。この辺の見せ方、なかなか面白く、奥深いですよね。

  2. biznavi より:

    人って何か複雑なものに意味を感じて理解する傾向があるのでしょうね。

    19374847362

    なんだと思います?

    適当に数字を並べて見ました。。

  3. 椿事 より:

    おお、そうですね。

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