出口戦略

2011年4月1日 金曜日

出口戦略。

起業するときに、よもや自分が引退する事を考えることは少ないでしょう。しかしとても重要な考え方のひとつです。企業は永続しながら社会に貢献するという考え方が正ならば、その企業の経営者の寿命が短いことは理解できます。

それなのに多くの経営者は自分が企業を拡大したり成長させることを考えますが、自分がその会社をどうするのか?を考えません。例えば次のようなことがあります。社員が50名前後の企業があるとします。多くの経営者は、自分の会社を継いでくれる次期社長のことを考えている方はすくないです。多くの経営者は、自分の子供に会社を継承してもらおうと考えていますが、具体的な話を子供と共有していることは少ないです。

今、日本の中小企業の経営者の平均年令が57歳前後と言われています。そして、会社をリタイアする平均年齢は67歳。平均で考えることは、良い発想ではないですが、この数字はここ10年は事業承継という課題が続々と出てくることを意味します。しかし多くの経営者は、事業承継なんか先の話だろう!と思うかもしれません。でもその時は必ずやってきます。

もちろん事業承継にはそれなりの準備が必要です。一番重要なことは社長がいなくても、会社が存続しているか?ということだと思います。そのために、売上を上げるための仕組みが組織に落ちていることが大切です。もしなければ、会社を承継した方が苦労することになるでしょう。

では、いまそのような時期がきたとしたら?おそらく準備が出来ていない方がほとんどでしょう。経営者がいつまでもピンピンしているとは限りません。何が起こるかわかりません。

それでは何をするか?まず、自分がいつ引退するのか?を明らかにすると良いと思います。そして、その時に社員に承継するのか?家族に承継するのか?あるいは外部にM&Aするのか?または、廃業するのか?引退するときの会社をどのようにするのか、そのスキームを明らかにする必要があります。

上記が決まれば、今度は逆算をしながら、どの時期から準備を行えば良いのか?がみえてきます。社員に継がせるのであれば、すくなくとも候補者を選択して、ある程度の社長教育をする期間が必要でしょう。家族に承継するのであれば、その家族が社員に受け入れられて社長業をこなせるようなお膳立てと教育が必要でしょう。M&Aするのであれば、どのような企業にたいして、どの程度の額でM&Aするのか?などやはり戦略を考えておくことが大切です。もちろん、廃業するにもコストと手間がかかります。

それからひとつ加えるとしたら、自分がリタイアした後の人生をどのように過ごすか?です。

会社をリタイアしても、することがなければ人生が急につまらなくなるかもしれません。しかし、考え方を変えて又つぎのフェーズを楽しめるようにしっかり何をするのか?を考え、リタイア後の準備も大切です。



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