本日は、2日間の戦略・マーケティングのワークショップでした。
訪問している名古屋の大曾根。ここには三菱電機の名古屋事業所があるものの、宿泊施設がありません。唯一、シティードームホテルというビジネスホテルが存在する程度です。
そこで、ワークショップの中で、皆さんで大曾根にビジネスホテルを開店した場合、ペイするでしょうか?という事を考えました。
まずは、市場の規模と成長性、そしてその不確実性です。
ビジネスホテルの場合の市場規模は、どのような人たちが利用するのか?です。そこで、考えられる宿泊客を考えました。
1)三菱電機名古屋事業所の出張者
2)その他の地域の出張者
3)名古屋ドーム利用者
2)は不確実性が高い、かつ1)に比べたら少ないだろうという事で今回は対象外としました。3)は主にドームでイベントがある時、祝日や土日の利用客と言う事で、今回は対象外としました。
そこで1)の出張者。主な利用はビジネスデーという事で平日です。
ためしに、今回のワークショップ参加者で宿泊を伴っている方を調べたところ25名のうち1名でした。その方にきくと、やはり名古屋事業所に出張する度に、名古屋市内のホテルに宿泊しているということです。他の出張者も同じと言う事。
では、市場規模のあたりとして、三菱関係者で宿泊を伴う出張者はどのくらいいるのか?は参考になるでしょう。仮に、上の数字をベースに、25人に1人、つまり事業所にいる人の4%程度は宿泊を伴う出張者と考えましょう。ざっと、名古屋事業所で勤務している従業員は様々な関係者を含めて4000人~5000人です。このうちの4%が可能性がある市場規模ということになります。
4000~5000×4%=160人~200人
この1/3程度が、大曾根にビジネスホテルがあれば利用するのでは?と考えてもざっと、50人~70人程度の宿泊客がポテンシャルとして十分に見込めることがあります。
私も、実は名古屋にホテルを抑えてもらったのですが、移動に30分~40分かかることを考えると大曾根の駅近くのホテルを選びました。それが今宿泊しているシティードームホテルです。宿泊するという点では問題無い程度ですが、仮に東横イン程度のチェーン店があれば、間違いないくそちらのホテルを選ぶでしょう。
つまり、この地域に対して、ビジネスホテルが1つ、出張者は沢山という構造です。そのため、新規参入した場合、明らかにそちらのビジネスホテルが既存のホテルよりも顧客に来ていただける可能性が高いと考えられます。
因みに、名古屋事業所の方々に話を聞きました。新しくビジネスホテルが建設されるとい話を聞いたことはありますか?ない。そう、新規参入者はいないのです。
ファイブフォースで考えて見ると、競合は1社。新規参入もない。顧客との交渉力は、地理的な利便性のみで考えると現存するホテルの方が高い。代替品も存在しない。構造的に見てとても参入しがいがある市場です。
それではどの程度の規模を考えれば良いのか?
ホテルの稼働率は、例えば良く書いてインしている東横インで83%~85%。全国の平均では67%~70%です。すると稼働率は70%以上は欲しいところ。
上記の数字をベースに仮に160人とうい数字をミニマムの数字と考えても160/0.7=228室です。因みに、東横インの現在の店舗数は222店舗、総客数は42911室です。つまり、1店舗あたりの部屋数は193室程度ですので東横インクラスでもOKかもしれません。
もちろん、上記の数字は、一切の裏を取っていませんので、保障の限りではありません。ただ、市場規模というのは、Wwbで調べても分かるものではありません。従って、上記のような考えをベースに規模、成長性、不確実性をざっと把握した後に裏を取るというのも良く行われる一つの考え方です。
新作『ドラッカーが教える実践マーケティング戦略』が予約できるようになりました。是非、こちらも一読下さい。
⇒ご購入はこちらから http://ow.ly/3yuq8
おお、面白い。確かにペイしそうですね。
平日の三菱電機関係でペイする上に、さらに土日祝日のイベント客も見込めますね。
『デフレの正体』の冒頭には、愛知県民は豊かだから、あえて土地を有効活用しなくても(寝かしていても)食っていける。だから、駅前開発が進まない、と書かれていました。そんな事情があるのかもしれません。
コメント、ありがとうございます。
参加者の中には、絶対、工場近辺には泊まらない!という人もいて面白かったです。経営者的な発想ですと、仕事が続くのであれば移動時間が無駄に思うのでした。
確かに名古屋は土地を遊ばせているところが多い気もします。