上司のコーチング-12 解決策を考える
前回まで、“営業のあり方に問題がある”という問題に対して、具体的な現象としては“売上の少ないお客様に訪問が集中している”ということが分かりました。これはどこの会社の営業パーソンにも見られますが、行きやすい所にばかり行くようですね。
そのような問題が起きていて、なおざりにされていることの原因は何だろうかと考えてみると、“行動計画のスパンが短い”、“結果報告を受けて、次の指示を与えるだけになっている”、“どこで何をするかは個人任せになっている”ことが見えてきました。
それがなぜ起きているかを更に深く考えると、営業マネジメントのあり方に問題がありそうだということが分かります。つまりこの問題を解決するには「営業マネジメントのありかたを変える」ことです。この辺りになると、上司の経験と勘が生きてくるところです。
具体的に何を変えるかと言うと、1)訪問計画を「年間」⇒「月間」⇒「週間」の順に、長い視点で感がえる。1)日常の指導は「結果報告」でなく、「行動予定」に対して行う。3)個々の顧客との取引に関して、何をどのように進めるかを一緒に考える、などです。
まずは訪問計画から行きましょう、コーチングのモデルです;
上司:今年度から訪問計画は、年間、月間、週間の順に立てて貰うことにするよ、まずは
年間の計画を立ててくれないか。お客様ごとに、毎月の訪問頻度を考え欲しいんだ。
部下:年間ですか、そんなの難しいし意味ないですよ。お客様の数は多いですし、
全部に対して計画を立てるなんて日現実的ですよ。
上司:お客様の数が多いから、年間訪問計画は難しいと思うんだね。僕も全ての顧客に対して必要とは思っていないよ。いつも言ってるけど、目的は何だと思う?
部下:目標達成の確率を上げることです。
上司:そうだったね、パレート分析は覚えているかい? それにどんな意味があったっけ?
部下:上位20%のお客様で80%以上の売り上げや利益を上げている、そうか、全てのお客様でなくて構わないんだ、上位の行くべきところに確実に行くことが重要ですね。
上司:そういうことだよ、それならできるね、今週中に出してもらえるかな?
部下:はい、大丈夫です。
上司:行くべきところを決めるうえで、大切なことは何だったか覚えているかい?
部下:実績だけではなくて、ポテンシャルを考えて上位の顧客を決める。意図した顧客で80~90%を確保するということでした。
上司:その通りだ、よくわかっているね、それじゃあ頼むよ。