上司のコーチング その8

2010年7月3日 土曜日

上司のコーチング-8 現状を確認する-2

前回は「現状を確認する」について「営業利益」を題材に考えて頂きました。もう少しこれについて考えて行きます、テーマは「売上高が減少している」です。前にも書きましたが、ここでいきなり「なぜ?」に飛びついてしまうと大間違い、まずは「何が起きているのか」を明確に認識することから始めましょう。そんな時、例えば「5W2H」から「WhyとWho」を除く「3W2H」で考えると便利です。

「Where」:売上高の現象はどこで起きているのだろうか、「どこ」の考え方にはいろいろとあります。例えば「上位20%の顧客、Aランク顧客、ヘビーユーザー」などの顧客ランク、或いは「都市圏の顧客、郊外の顧客」などの地理的な分類、また「製造業、サービス業」などの業種、「売上高xx億円以上の顧客」など規模や発生の範囲もあるでしょう。

「What」:その市場で何が起きているのだろうか、「なに」の考え方にもいろいろあります。例えば「中間の価格帯が売れない、客単価が下がっている」などの価格の特性、或いは「買い替えサイクルが長くなった、他社商品への買い替えが増えた」などの買い方の変化、「成約率が低下した、競合の勝率が低下した」などの取引上の問題点が見えるかもしれません。

「When」:これにもいろいろあります、例は割愛しますが、「いつから始まったか」、「どんな時に起きているか」、「いつも起きているのか、それとも特定の時だけか」「いつ気がついたか」など、問題の発生と時間に関ることも考えなければいけません。

「How」:これも考えることはあります、発生のあり様とでも言いましょう。例えば「突然起きた」「一気に拡大している」「ゆっくりではあるが拡大している」「拡大の傾向が強まっている」、「影響の範囲が広まっている」など、インフルエンザの報道みたいですね。

「How Much」:ここでは発生の規模や頻度を考えてみます、「低下した客単価、失った金額、変化した顧客数、失ったシェア」など問題の大きさを表すことを考えて下さい、もう一つは問題のインパクト、「低下率xx%」「逸失率xx%」などがあるでしょう。

このように「何が起きているのか」と問題をいろいろな角度から眺めて問題の全容を明確にし、その上で「最も大きな問題」はどれかを考えるのです、それが「現状を確認する」ことの意味です。



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