花王の主力商品にメリットがあります。発売の1970年頃より好調に売れている商品です。このシャンプーポジショニングを度々変更して、世の中の変化に合わせています。
当初は若い女性向けでしたが、2000年頃になると買われ方が変わってきました。お母さんが大容量のメリットを買って、お父さんはこのシャンプーね。という感じです。このシャンプーだから選ぶ!というものでは無くて、仕方がなくて購買されるシャンプーになっていたのです。
このような買われ方では、もっと安いシャンプーが登場したタイミングなどで一気にスイッチされる可能性も考えられます。花王としては非常にリスクです。
当時、メリットは売れていましたが、その売れ方を分析したところ、積極的な指示を得られていない事が分かりました。売れているからと言って、マーケティングに成功しているわけでは無かったのです。
花王は、このタイミングでメリットを次のようにポジショニングしました。家族シャンプー。メリットは既に女性が自分のために買うシャンプーからは外されていました。その現実を受け止めて売上減少のリスクを抑えるためにリポジショニングを行ったのです。
シャンプーは、ビールと同じくらい様々にポジショニングされています。見ているととても楽しく思います。
ポジショニングも、メリットのように若い女性とか家族などの属性意外でも考えられます。例えば、女性にフォーカスを絞り、彼女たちのイメージでポジショニングされたと仮定します。
そのイメージで選ぶ場合、TUBAKIはジャパンビューティーを前面に出しています。花王のASIENCEはアジアンビューティーです。LUXはらグジュラリーな雰囲気を出し、ロクシタンはハーブをブレンドしたナチュラルなイメージでしょうか。
昨日的な意味では、ダメージヘアにはPANTEN、モイスチャー機能と言ったらDove、頭皮に優しいh&sなどです。
ポジショニングが明確であれば、安いから買う!という以外の明確な購買理由を消費者に提供する事ができるのです。
早嶋聡史