早嶋です。
5月の国内企業物価が、原油や非鉄金属などの高騰を受けて前年同月比で3.3%上昇しています。この伸び率は注目するところで、およそ25年ぶりの伸び率となっています。
企業物価とは、企業間の出荷や卸売り段階の取引価格を調査した指数で、小売業者が卸売価格の上昇を店頭価格に転嫁していけば、消費者物価の上昇ということになります。消費者物価の上昇ということは、つまりモノの値段があがる、インフレと言うことになります。
インフレには、デマンドプルインフレとコストアップインフレの2つの見方があります。今回のように、原料の値段があがったので値上げをすると言った事態になればコストアップインフレとなります。
例えば、ガソリン価格は、原油の値段+原油からガソリンを精製するコスト+ガソリンスタンドまで運ぶコスト+ガソリンスタンドのコストの合計になります。このコストの部分には、それぞれの段階で業者が受け取る利益も含まれています。景気がよくなり、業者が強気になり、利益を高く設定した結果、値段が高くなるのがデマンドプルインフレです。景気がよくなり、需要が増せば、業者は強気となり値上げを行うのです。一方、原料そのものの価格が上昇した場合、原料のコスト分だけ値上がりし、結果的にインフレになります。これがコストアップインフレです。
インフレの要因には、為替レートの変動も関係します。特に日本は資源に乏しいため、原料の多くを輸入に頼っているからです。また、上記でも触れましたが、国内の景気がよくなればインフレになることも考えられます。
もし、このまま原料の増加が進めば、コストプッシュインフレが認められることになるでしょう。そのときに、インフレ(=デマンドプルインフレ)と勘違いして、対策をしたとしたら、その時はとんでも無い状況になるでしょう。
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